2013年02月10日
エマール&ブーレーズのラヴェル:ピアノ協奏曲集&組曲『鏡』
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期待を裏切らない名演だと思う。
ブーレーズとエマールの組み合わせは、これまでもリゲティのピアノ協奏曲などの共演で既に名コンビぶりを発揮していたが、今回は、ラヴェルの傑作協奏曲をいかに料理するのか、聴く前から大変興味を抱いていた。
若き日の前衛的なアプローチが影をひそめ、すっかりと好々爺になったブーレーズであるが、フランスの若手ピアニストでありながら、非常に個性的な解釈で知られるエマールとの共演で、この傑作協奏曲をいかに解釈するのか……。
結果は、意外にも正統派のアプローチであった。
ブーレーズは相変わらずの分析的な表現が、ラヴェルの巧緻なオーケストレーションでは奏功。
もちろん、左手のためのピアノ協奏曲において時折見られる無機的になる寸前の最強奏など、若き日の前衛時代を一部に垣間見ることもできるが、ピアノ協奏曲ト長調、特に第2楽章などの繊細にして優美な指揮は、若い日に先鋭的なラヴェルの管弦楽曲集を遺した指揮者とは思えないような情感の豊かさだ。
エマールのピアノもただただ美しい。
エマールは予想通りのクールで客観的な表現で、それ以上でも以下でもない。
こういう行き方だと、まるでブーレーズ自身がピアノを弾いているかのように、オケと一体化している。
2つのピアノ協奏曲における繊細にして情感豊かなタッチも美しいが、「鏡」における諸作品におけるエスプリに満ち溢れたセンス満点の弾きぶりは、改めてエマールがフランス人であることを再認識させられた。
ツィメルマンとの録音も同じブーレーズ&クリーヴランド管のコンビがバックであったが、今回の方がさらに良い出来映えだと思う。
録音も非常に鮮明であり、素晴らしい。
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