2013年02月18日

セル&クリーヴランド管のシューベルト:交響曲第9番「ザ・グレイト」


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1970年にセルが来日する直前に録音されたもので、セルは日本公演の直後に急逝した。

セルがクリーヴランド管弦楽団を指揮した演奏の数々は、セルの楽器と称されるほどの精緻なアンサンブルを誇るものであったが、演奏によってはやや鋭角的な印象を与えるものもあった。

しかし、晩年には、そうしたいささか欠点といも言うべき角がとれ、精緻な中にも柔軟さを感じさせる名演が繰り広げられる傾向にあった。

EMIに録音したドヴォルザークの「第8」やこのシューベルトの「第9」などは、そうした傾向にある晩年のセルならではの味わいのある名演であったように思う。

セルの死の年の演奏ということもあり、前述した傾向が顕著なセル最晩年ならではの至高の名演ということができよう。

この指揮者としては温かい音楽を歌わせており、しかもスケールが大きく、仕上げの美しさも比類ない。

この曲はシューマンが讃えた言葉通り、楽想とリズムの繰り返しを重ねて作り上げられた「天国的」な長大さを持つ交響曲であり、指揮者の資質が大きく問われてくる。

聴き手に面白く、しかも充実して聴かせるのは困難だろうが、セルの魔法にかかるとこの曲が素晴らしい構成に基づいたまさに「天国的」なシンフォニーである事に眼を開かされる。

精密機械のように楽曲の輪郭をクリアにしつつ、そこで繰り広げられる超人的な精緻なアンサンブル。

それでいて、決して機械的にはならず、セルの人生を俯瞰させるような何とも言えない温もりのある味わいに満ち溢れている。

まさに、セル畢生の名演と評価すべき出来映えであると言えるだろう。

全く作為がなく、聴いた後に清々しい充実した気持ちにさせてくれるこの「第9」を遺してくれたセルの偉大さを改めて思うとともに、それに対して筆者は感謝の念を捧げたい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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