2013年02月22日
テンシュテット&ベルリン・フィルのドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」ほか(1984年ライヴ)
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驚天動地の超名演だ。
テンシュテットが咽頭癌に倒れる直前の演奏会の記録であるが、まさに命がけの鬼気迫るような凄まじい豪演とも言える。
ムソルグスキーの「はげ山の一夜」は、スタジオ録音も遺されているが、大きく違うのは本盤ではオリジナル版を採用している点。
オリジナル版に拘った指揮者としてはアバドがあり、同じくベルリン・フィルとの録音を遺してはいるが、本盤と比べると、演奏にかける気迫、力強い生命力や表現力において、雲泥の差があると言えよう。
冒頭から、何事が始まったかと思われるような、大地が鳴動するが如きド迫力であり、演奏終了後は、あまりの凄さに聴衆が拍手を一瞬ためらっているような様子も記録されている。
プロコフィエフも凄い。
グティエレスのピアノも、圧倒的な技量の下、最高のパフォーマンスを示しているとは言えるが、ここでの主役はやはりテンシュテットだ。
緩急自在のテンポ設定や思い切った強弱の変化をつけて、プロコフィエフのピアノ協奏曲の中でも難解と言われる同曲を見事に解析してくれている。
そして、メインの「新世界より」。
同曲にはスタジオ録音があるが全く問題にならない。
これほどまでにオーケストラを追い立てていく圧巻の指揮ぶりは、殆ど狂気ですらある。
いわゆるチェコの民俗色など薬にもしたくはなく、テンシュテットの手にかかると、同曲は、ベートーヴェンの交響曲にも匹敵するような大芸術作品のように聴こえる。
終楽章など、主部は阿修羅のような勢いで突進していくが、それでいて、中間部の抒情も実に美しくて感動的だ。
演奏終了後の熱狂も当然のことのように思われる。
録音も非常に鮮明で素晴らしい。
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