2013年02月22日

テンシュテット&ロンドン・フィルのベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」(1985年ライヴ)


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筆者が知る限り、唯一テンシュテットとロンドン・フィルのライヴ盤だけが、作曲者の妄執や狂気にふさわしい異常性を持っていると思う。

第1楽章の疾風怒涛の荒れ狂い方からして常軌を逸している。

技ではなく力づくで敵をなぎ倒しながら一直線に進んでいくような殺気には度肝を抜かれよう。

弛緩した演奏だと永遠に続くかのように感じられる第1楽章が、あっという間に終わってしまう。

けっして物理的な時間が短いわけではなく、心理的な時間が短いのである。

第2楽章も最初から合奏の足並みが乱れるほどの突っ込み方で、2度目はないと言わんばかりだ。

これを聴くと、テンシュテットがフルトヴェングラーの再来と呼ばれたのも当然と思えてくる。

テンポを上げていくときの追い込みも凄く、実際のテンポの変化はわずかでも、気味が悪いほどの緊迫感があるのだ。

一転、第3楽章ではこれがロンドンのオーケストラかというほどに丁寧に心を込めて歌っておいて、再び嵐のフィナーレへと突入する。

独唱陣、合唱ひっくるめて火がついたような猛烈な熱演だ。

大編成の合唱は空気を揺るがせたかと思うと、静かなところでは祈るかのように歌う。

曲のいちばん最後、他の指揮者たちよりも速いくらいのテンポから止まらんばかりに一気に速度を落とし、最後の「喜びよ、神々の美しい火花よ」を歌いあげ、そこからぐんぐんと加速していく決めの大胆さにも唖然とさせられる。

これを聴くと結局「第9」はこのように作品のまっただ中を生きるように演奏するほかはないと思われてくる。

音質は充分に良く、お持ちでない方は迷わず買うことだ。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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