2013年02月23日
プレートルのフォーレ:レクイエム、ドビュッシー:夜想曲(合唱付)
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かつては知る人ぞ知る存在に甘んじていたプレートルが、数年前に発売されたマーラーの交響曲第5番及び第6番の超名演や、ニューイヤーコンサートでの味わい深い名演によって、一躍、現代の数少ない巨匠の一人と見做されるようになった。
そうした名声もあって、数々のCDが発売されるようになったが、筆者としても、改めて、この指揮者のレパートリーの幅広さと実力を思い知らされている次第だ。
本盤に収められた楽曲は、両曲ともに得意のフランス音楽であり、そもそも演奏が悪かろうはずがない。
それどころか、両曲ともに、それぞれの様々な演奏の中でもトップの座を争う名演と高く評価したい。
フォーレの『レクイエム』はいわゆる3大レクイエムの中でも最も慎ましやかな楽曲。
それ故に、殆ど聴き取れないような最弱音を駆使した演奏が多く、せっかくの同曲の魅力を台無しにしてしまうような結果に陥りがちであるのは大変残念な傾向にあると言える。
ところが、本盤は違う。
例えば、「サンクトゥス」や「アニュス・デイ」の中間部、「われを許し給え」の壮麗な金管の響きや、「アニュス・デイ」、「楽園にて」の冒頭部の何とも言えないフランス風のエスプリ漂う瀟洒な味わいは、他の演奏では聴かれないような感動的なものだ。
それでいて、全体としては、同曲に必要不可欠の清澄な美しさに不足はないのは、巨匠プレートルの類稀なる至芸と言える。
ドビュッシーの『夜想曲』も超名演。
「雲」からして、誰よりも速めのテンポでセンス良く全体を描いて行く。
他方、「祭」は力強い迫力が際立つが、ここでもセンス抜群の味わい深さは健在だ。
そして、「シレーヌ」のこの世のものとは思えないような天国的美しさ。
これほどまでに瀟洒な味わいと美しさ、そして力強さをも兼ね備えた、良い意味でのバランスのとれた『夜想曲』の演奏は、これまでにも殆ど類例も見ないし、今後とも容易には現れないものと思われる。
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