2013年12月09日
アンスネス&パッパーノのラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番、第4番
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今を時めく気鋭のピアニストと指揮者どうしの組み合わせ。
5年前に録音されたピアノ協奏曲第1番及び第2番も名演であったが、本盤もそれに優るとも劣らない名演だ。
両者のアプローチの特徴を一言で言えば、現代的に洗練された透明感溢れるアプローチと言ったところではないだろうか。
ラフマニノフの演奏でよく聴かれるロシア的情緒を強調した民俗色溢れるあくの強さなど、薬にしたくもない。
研ぎ澄まされた圧倒的な技量をベースとした透徹したピアニズムを銘とするアンスネスの美音と、それを現代的に洗練された指揮のパッパーノが巧みにサポートするという構図であり、このような切れ味鋭い現代的アプローチは、両曲の中でも第4番の方により相応しいものと言える。
第4番には、本盤と似たアプローチで現代的な音のドラマを展開したミケランジェリによる超名演があるが、本盤の演奏も、ミケランジェリ盤に肉薄する名演と高く評価したい。
力強い打鍵といささかも情緒には陥らない高踏的な美しさの見事な融合は、同曲が第2番や第3番に劣らぬ傑作であることを改めて認識させてくれる。
他方、第3番も旧盤でのリズム感溢れた青年らしい実直な演奏も素晴らしい出来だったが、音楽的に成熟しスケールの大きさそしてクリーンなテクニックとともにピアノを充分に底から鳴らし哀愁を帯びた美しい音色で演奏されたこの演奏は本当に見事。
確かに名演とは言えるが、こうした現代的なアプローチが、いささか淡白さを感じさせる箇所が散見され、もう少し情感の豊かさが欲しいという気がしないでもなかった。
録音もピアノとオーケストラとのバランスが非常に良く、両曲の協奏曲としての醍醐味を深く味わうことができる。
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