2013年02月25日
テンシュテット&ベルリン・フィルのブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」ほか(1981年ライヴ)
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いずれも素晴らしい名演だ。
ベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番はスタジオ録音もなされていない演目であるが、テンシュテットは、マーラーを指揮する時に垣間見せるような劇的な指揮ではなく、ドイツ正統派の正攻法のアプローチで、堂々たる名演を成し遂げている。
ゲルバーの巨匠風のピアニズムによるところも大きいとは思うが、こうしたゲルバーのピアノを包み込むようにサポートしたテンシュテットの指揮もまた見事であったと言える。
他方、ブルックナーの交響曲第4番は、既にスタジオ録音を行うとともに、来日時のライヴ録音も発売されている、テンシュテット得意のレパートリーの一つだ。
テンシュテットと言えば、どうしてもマーラー指揮者のイメージをぬぐい去ることは出来ないが、ブルックナーの第4番に関しては、テンシュテットのアプローチと同曲の相性が抜群に良いこともあって、これまで発売されたCDはいずれも名演だ。
しかしながら、本盤の登場によって、既発売のCDは、太陽の前の星のように存在感を殆ど失ってしまった。
それくらい、本盤の出来は群を抜いている。
テンシュテットは、マーラーを指揮する時とは異なり、ゆったりとしたテンポで曲を進めている。
それでいて、いささかも冗長には陥ることなく、随所で独特のスパイスを効かせた解釈を示しているが、それがいわゆるブルックナーの本質から逸脱することがないのは、テンシュテットの同曲への深い理解と愛着の賜物と言える。
金管の最強奏も、ベルリン・フィルの卓越した技量もあって、圧倒的な迫力を示すが、無機的に陥ることがないのは、さすがの力量と言えるだろう。
録音も非常に鮮明で素晴らしい。
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