2013年02月28日

ブーレーズ&ウィーン・フィルのシマノフスキ:ヴァイオリン協奏曲第1番/交響曲第3番≪夜の歌≫


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ブーレーズならではの素晴らしい名演だ。

ヴァイオリン協奏曲第1番や交響曲第3番は、シマノフスキが、印象派の影響を色濃く受けた時代の傑作であるが、ドビュッシーやラヴェルの名演を数々成し遂げてきたブーレーズにして見れば、得意とする作品とも言えるだろう。

確かに、若き日のブーレーズのように、前衛的で切れ味鋭いアプローチは影を潜め、すっかりと好々爺となり、角の取れた柔和なアプローチを示すようになりつつある近年のブーレーズではあるが、本盤では、そうした円熟に加えて、若き日の前衛的なブーレーズを彷彿とさせるような凄みをも感じさせる名演を成し遂げていると言える。

特に、ヴァイオリン協奏曲第1番の第1楽章において、そうした傾向は顕著であり、ヴァイオリンのテツラフの卓越した技量をベースとした切れ味鋭い演奏と相俟って、シマノフスキの魅力を大いに満喫することができるのが素晴らしい。

ブーレーズらしく分かり易い演奏で、スクリャービン風の和声進行、反復を含みながら弧を描くように展開する音楽の軌道を明晰に描いている。

テツラフの音色のコントロールも滅法巧く、一種のヴァンダラーとしてのヴァイオリン独奏の性格を明らかにしながら、オーケストラと骨太で鋭いアンサンブルを繰り広げてゆく。

神秘的な曲想と柔らかく繊細なテツラフの音色とは相性がいい。

交響曲第3番での大気感も素晴らしく、神秘的で官能的な響きといった、この作品に不可欠な雰囲気を十分に表出しており、優秀な独唱や合唱も相俟って、完璧に再現されている。

デイヴィスリムの透明でリリックなテナーがシマノフスキ特有の詩世界に寄り添い、ウィーン・フィルも最高のパフォーマンスを示していると言える。

シマノフスキを得意とする指揮者としてはラトルが掲げられ、残された演奏はいずれも名演ではあるが、前衛性と円熟のバランスを考慮すれば、本盤に収められた両曲に限って言えば、ブーレーズの方に軍配をあげたい。

録音も含めると、これらの曲の新定番と言えるだろう。

ボーナスCDのブーレーズによるインタビューも貴重な記録だ。

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classicalmusic at 21:44コメント(0)トラックバック(0)ブーレーズ  

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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