2013年03月02日
ゲルギエフのショスタコーヴィチ:交響曲第2番、第11番
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ショスタコーヴィチの15曲ある交響曲の中でも、第2番及び第11番(他に第3番も人気がない)は、最も人気のない部類に入ると思われるが、本盤は、そうした既評価を覆すのに十分な名演だ。
特に、第2番については、これまでの数々のCDの中でも随一の名演と言っても過言ではないのではなかろうか。
第2番は、早熟の傑作と称された第1番とは異なり、およそ交響曲とは言い難い独特の様式によって作曲されているが、ゲルギエフが指揮すると、起承転結のはっきりした立派な交響曲に聴こえるから大したものだ。
冒頭の暗い抒情から、後半部の壮麗な合唱に至るまで、ゲルギエフは実に精緻に楽想を描き出していく。
下手な演奏では取ってつけたように響くサイレンの音色も、ゲルギエフの場合は、決して唐突ではなく、楽想の中に見事に溶け込んでいるのが素晴らしい。
第11番も名演。
凡庸な演奏だと、冗長ささえ感じさせ、ウドの大木のように聴こえる同曲であるが、ゲルギエフの指揮によると、スケールの大きい、そして構成力のしっかりとした大交響曲に聴こえる。
また、交響曲としての枠組みや音響による描写よりも、作品全体の雰囲気を大切にした演奏で、十分にドラマティックでありながら、むしろしみじみとした情感が胸を打つ。
特に、全曲のクライマックスを、第2楽章の中間部ではなく、終楽章の終結部に持っていったのは素晴らしく、ゲルギエフがこの大交響曲をしっかりと理解し、全体像をよく把握していることがよくわかろうというものだ。
いわゆる爆演とは異なるが、聴後に残る感銘はその何倍も深い。
SACDマルチチャンネルによる極上の高音質録音も素晴らしい。
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