2013年08月30日
シフラのリスト:超絶技巧練習曲集
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“リストの再来”とも言われたシフラが弾く超絶技巧練習曲集という聴き応えのある1枚。
リストと同じハンガリー生まれのシフラの、知性と作品に対する誠実さにあふれた演奏である。
随所に彼独特のラプソディ的な持ち味が強く出ており、かなり古い録音にもかかわらず、輝かしいピアノの音色が存分に伝わってくる名盤である。
全般的に楽曲に忠実で、機械的な演奏に陥らず、完全に音楽を自分のものにしており、シフラの超絶的な技量に唖然とさせられる。
ペダルの使用を極力抑えた清潔なテクニックで、ひたすら作品に忠実に弾き進んでいることが実感できる。
叩きつけるような力強い打鍵や、夢見るような美しい抒情、堂々たる楽曲の進行など、幅広い表現力を駆使して、リストのピアノ曲の魅力が盛り込まれた難曲である超絶技巧練習曲集を完璧に表現し尽くしている。
例えば、「風景」の抒情豊かな美しさと、有名な「マゼッパ」の重量感溢れる迫力の著しい対比など、各楽曲毎の描き分けも見事であり、シフラが、圧倒的な技量だけでなく、表現力の幅の広さ、スケールの大きさにおいても、圧倒的な存在であったことがわかる。
超絶的な技量とともに、圧倒的な表現力を必要とするが故に、いわゆるリスト弾き以外のピアニストには弾きこなすことが困難ではないかと考えられた難曲である超絶技巧練習曲集を、これだけ完璧に弾きこなしたことにかんがみれば、シフラが“リストの再来”との評価もあながち言いすぎではないと考える。
録音はモノラルでイマイチ冴えないが、近年における、より高音質の同曲の演奏と比較しても、同曲のあらゆる名演中のトップの座を譲ることはいささかもなく、そして、今後も現れるとは考えにくいところである。
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