2013年03月10日
ポリーニ&ウィーン・フィルのモーツァルト:ピアノ協奏曲第17番&第21番
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これはなかなか評価が難しい演奏だ。
この演奏をもってポリーニの円熟という人がいるのかもしれないが、どうもそうではないような気がする。
本盤で素晴らしいのはウィーン・フィルの優美な演奏と言えるだろう。
ポリーニの弾き振りということになるが、ウィーン・フィルは、後述するようなポリーニのピアニズムとは無関係に、いかにもモーツァルトならではの高貴な優美さをいささかも損なうことなく、見事なアンサンブルを構築していると言える。
これに対して、ポリーニのピアノの音があまりにも硬質に過ぎるように思われる。
評者によっては、透徹した鋭利なタッチなどと言うことになるのであろうが、これでは、聴き手にあまりにも無機的な印象を与えることになるのではなかろうか。
聴き手によって意見が分かれると思うが、少なくとも、モーツァルトに相応しいアプローチとは言い難い。
したがって、ウィーン・フィルの優美な音色とは水と油の関係であり、ポリーニのピアノが非常に浮き上がって聴こえることになる。
確かに、ポリーニのピアノは、スコアに忠実であり、その意味では間違いのない演奏なのであろう。
しかしながら、ただでさえ音符の数が少ないモーツァルトの楽曲では、単にスコアを正確に弾いただけでは、演奏が極めて無機的なものに陥ってしまい、内容のない、浅薄で無味乾燥な演奏に成り下がってしまう危険性を孕むことを忘れてはなるまい。
本盤は、そうした危険性に陥ってしまったところを、ウィーン・フィルの美演によって、何とか鑑賞に堪え得るギリギリの水準を保ったと言える。
ピアニストとしては、はなはだ不本意な演奏ということになるのではなかろうか。
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コメント一覧
1. Posted by ゆうちゃん 2012年04月23日 01:02

2. Posted by 和田 2012年04月23日 05:34
そのとおりだと思います。
とにかくこのCDの演奏に関しては、さまざまな意見があるようで、私としても無理強いしませんでした。
とにかくこのCDの演奏に関しては、さまざまな意見があるようで、私としても無理強いしませんでした。