2013年03月12日
アシュケナージ&シドニー響のマーラー:交響曲第1番「巨人」、花の章、さすらう若人の歌
この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。
アシュケナージはマーラーを好んで指揮しているようであり、これまでもチェコ・フィルなどとのCDが既に発売されている。
今後、シドニー交響楽団との全集の録音を考えているようであり、本盤は、その第1弾ということになる。
演奏の評価は、可もなく不可もなくと言ったところではないかと思う。
要するに、凡演ではないが、かといって、名演とか佳演といった評価をするのには大いに躊躇する。
なぜ、そういう評価をするかと言えば、本盤の演奏には、アシュケナージならではの個性が感じられないのだ。
マーラーの「第1」には、古くはワルターの古典的な名演があり、バーンスタインやテンシュテット、さらには小澤(ボストン交響楽団との旧盤)、最近ではホーネックなど、海千山千の指揮者による名演が目白押しであり、こうした名演の中で存在意義を見出すのは容易ではない。
これまで、アシュケナージのマーラー、シドニー響のマーラーを誰が積極的に聴きたいと切望していただろうか?
本盤は完全に「招かれざる客」であり、この不況下にあって敢えて市場に投入する意図が全く判らない。
これで演奏が空前の素晴らしさなら文句は言うまい。素直に「恐れ入りました」と負けを認めよう。
しかし、本盤は演奏自体極めて没個性的であり、無為に時間のみが流れていく。
アシュケナージが個性を売りにする指揮者ではないと言われれば、もはや何も言えないが、それはショパンやラフマニノフに通用しても、マーラーには必ずしも通用しまい。
アシュケナージは、本盤を皮切りとしてマーラーの交響曲全集を録音していくとのことであるが、今後に大きな課題を残したとも言える。
ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング
フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室。