2013年08月08日

クレンペラーのフランク:交響曲二短調


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晩年のクレンペラーならではの豊かな音楽性に裏打ちされたスケール雄大な至高の名演である。

巷間では重厚すぎてフランクらしくないと言われ、定評の高くなかった演奏であるが、個人的には、その重厚な音の運びによりフランクらしい憧れの感情が熱く伝わってくる超名演だと思う。

フランクが晩年に作曲した唯一の交響曲ニ短調は、瞑想的ともいえる響きの中に深い情熱を宿した傑作であるが、クレンペラーは卓越した造形力で、重厚な響きの中にも生命力にみちた音楽を表出している。

クレンペラーは、フランクの交響曲においても、例によって、ゆったりとしたインテンポで楽曲を進めていくが、よく聴くと、インテンポというように単純に割り切れるものではなく、実にニュアンス豊かなコクのある演奏を行っているのがわかる。

トゥッティの箇所においては、テンポを自在に動かして、各管楽器の強弱に微妙な変化を付けさせている。

特に、木管楽器の響かせ方は、他の演奏では決して聴くことができない味わい深さがあると言えるところであり、いかにも巨匠クレンペラーの奥の深い芸術性を感じさせる。

低弦の響きも実に分厚いものがあり、フランクの交響曲の、いわゆるドイツ的な要素を全面に打ち出した至高の名演と高く評価したい。

飄々と進められるアポロ的なモントゥー盤のまさに対極にあるデュオニソス的名演と評したい。

本盤は、名演のわりには、長らく輸入盤でしか入手できなかったが、久々に、しかもHQCD化されて登場したのは大変歓迎すべきことであると考える。

音質は、旧来の輸入盤と比較して、若干鮮明になるとともに、音場がより広くなったのも素晴らしい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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