2013年04月01日
クルレンツィスのショスタコーヴィチ:交響曲第14番「死者の歌」
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これは素晴らしい名演だ。
ショスタコーヴィチの交響曲の中でも、傑作でありながら、その陰鬱な内容から敬遠されがちな同曲であるが、本盤のような名演で聴くと、改めて、同曲がショスタコーヴィチの交響曲を代表する傑作の一つであることを再認識させられる。
指揮者もオーケストラも、そして独唱陣も無名の存在であるが、こうした無名の音楽家たちが、同曲演奏史上最高の名演を成し遂げたのだから、これは隠れた才能の発掘という一大快挙と言えるだろう。
「死」をテーマにした交響曲であり、陰鬱で暗いが、初めてショスタコーヴィチの本質に触れることが出来た。
「楽譜や文献から」作曲家の心境を汲み取り、「表情付けをしっかりとつけた」演奏というのはこれが初ではないだろうか。
第1曲冒頭の、心の底から絞り出てくるような悲痛な弦楽の音色からして、我々聴き手は、この名演の魅力にたちまち惹き込まれてしまう。
第1曲から第2曲、あるいは、第7曲から第8曲という、いわゆる動と静の描き分けが実に巧みであり、独唱陣の優秀さも相俟って、あたかも壮大なオペラを聴くようなドラマティックな演奏に仕上がっている。
前述の冒頭の表現もそうであるが、総体として弦楽器の合奏は見事であり、特に、低弦の響きの不気味さは、同曲の魅力を十二分に発揮するものとして、最高のパフォーマンスを示していると言える。
さらに、間の取り方が絶妙。
クルレンツィスの指揮は、若手指揮者とは思えないような堂々たるものであり、この間の取り方が素晴らしいが故に、同曲の命でもある打楽器が大いに生きてくることになるのである。
録音も実に鮮明で素晴らしく、この超名演の価値を高めるのに大きく貢献している。
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