2013年03月24日
シノーポリ&シュトゥットガルト放送響のマーラー:交響曲第10番より「アダージョ」、交響曲第6番「悲劇的」
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シノーポリは、1986〜1987年にも、全く同じ交響曲の組み合わせで、フィルハーモニア管弦楽団とスタジオ録音している。
特に、第10番は、30分を超えるという異常に遅いテンポが話題となったが、シノーポリの医者出身という経歴を活かした精神分析的なアプローチが功を奏した凄い名演であった。
それに対して、第6番の方は、同じく遅いテンポではあるが、やや間延びした印象もあり、美しくはあるものの、今一歩踏み込みが足りない喰い足りなさが感じられる演奏であった。
ところが、本盤は、ライヴ録音、そして、ドイツのオーケストラということもあって、いずれも素晴らしい名演に仕上がっている。
第10番は、スタジオ録音の約6年前の演奏であるが、アプローチ自体は変わらない。
テンポは若干速くなっているが、楽曲への切れ味鋭い踏み込みといい、思い切った強弱の設定といい、文句のつけようのない超名演に仕上がっていると言える。
特に、弦合奏の重心の低い重量感は、さすがはドイツのオーケストラである。
第6番は、スタジオ録音とほぼ同時期の演奏であるが、同様にゆったりとしたテンポだ。
特に、第3楽章と終楽章の遅さは尋常ならざるものがあるが、スタジオ録音とは異なり、間延びした印象がいささかも感じられない。
むしろ、このテンポ設定こそが必然と感じられるほどで、これらの楽章のこの世のものとは言えない美しさは、シノーポリが、楽曲への精神分析の結果得ることができた、マーラーの生への妄執と憧憬のように思われてならない。
録音も、素晴らしい高音質だ。
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