2013年03月31日
ガヴリーロフ&ムーティのラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番、パガニーニの主題による狂詩曲
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何よりもガヴリーロフのピアノが素晴らしい。
ロシアの悠久の大地を思わせる重厚なピアニズムと、故国を思う郷愁に満ち溢れた情感の豊かさが、演奏に結晶化しており、超絶的な技巧も圧倒的だ。
特に、ピアノ協奏曲第2番の第2楽章は、他のどのピアニストよりも、テンポをゆったりとしたものとして、情感豊かな感動的な演奏を繰り広げている。
時折見られる間の取り方も実に効果的であり、こうした点に、ガヴリーロフの芸術家としての抜群のセンスの良さを感じさせる。
パガニーニの主題による狂詩曲の、各変奏の描き分けも、超絶的な技巧をベースとして、完璧に表現し尽くしており、有名な第18変奏の美しさには、もはや評価する言葉が追いつかないほどの感動を覚えた。
ムーティの指揮も素晴らしい。
イタリア・オペラを得意とした指揮者だけに、ラフマニノフの抒情豊かな旋律の歌い方の何と言う美しさ。
それでいて、ピアノ協奏曲第2番の終楽章の終結部の猛烈なアッチェレランドなど、決めるべきところのツボを心得た心憎いまでの演出巧者ぶりを示しているのはさすがと言える。
当時の手兵であるフィラデルフィア管弦楽団は、オーマンディやデュトワとともに、ラフマニノフの名演を数々残してきたこともあり、本盤でも、ムーティの統率の下、最高のパフォーマンスを示していると言える。
HQCD化によって、音質は非常に鮮明になっており、本名演の価値を高めるのに大きく貢献している。
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