2013年03月28日
ロストロポーヴィチ&ジュリーニのドヴォルザーク:チェロ協奏曲/サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番
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ロストロポーヴィチは、ドヴォルザークのチェロ協奏曲を得意のレパートリーとし、それこそ何度も録音を繰り返したが、小澤との共演を持って満足できるものとして、その後一切の録音をやめることになった。
ロストロポーヴィチ本人が満足したのであるから、第三者である聴き手がとやかく言う権利はないのではあるが、衆目の一致するところ、数ある録音の中でも最高の名演は、カラヤン&ベルリン・フィルと組んだ1968年盤ということになるのではないか。
それは絢爛豪華とも言うべき名演であり、協奏曲というよりも、競争曲と言った方がより相応しいような、指揮者とソリスト、そしてオーケストラががっぷり四つに組んだ豪演でもあった。
これに対して、本盤は、ロストロポーヴィチのチェロ協奏曲の中でも、最も優美な抒情を全面に打ち出した名演と言えるのではなかろうか。
これには、ジュリーニの存在が大きいと思われる。
ジュリーニの重厚で粘着質ではあるが、イタリア人指揮者ならではの優美なフレージングが随所に配することなどによって、実に温かみのある音楽を構築しているからだ。
こうした温かみのあるバックの下、ロストロポーヴィチは、情感豊かな演奏を繰り広げていると言える。
ロストロポーヴィチの豊かな歌心を楽しむには格好の1作で、第1楽章の第2主題、第2楽章のノスタルジックな旋律の巧みさなど、傑出した演奏を堪能することができる。
ジュリーニやロストロポーヴィチに引っ張られることにより、ロンドン・フィルも最高のパフォーマンスを示している。
併録のサン・サーンスのチェロ協奏曲同様の傾向の名演だ。
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