2013年04月04日
セル&コンセルトヘボウのベートーヴェン:交響曲第5番<運命>/シベリウス:交響曲第2番
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セルは、デッドな録音の手兵クリーヴランド管弦楽団で聴くと、その解釈も相俟って、血も涙もない冷徹な指揮をするかのように考えられてしまう。
ところが本盤のように客演地のヨーロッパのオーケストラで聴くと、確かに全体的な造型構築への厳しい姿勢は当然のこと。
そのことは充分承知しているが、その構築された造型の中で、緩急自在のテンポ設定を行うなど、きわめてフレキシブルに曲想を展開してゆくのがわかる。
聴き終わった時にはまさに血も涙もある非常に情感豊かな指揮をする指揮者であったことを再認識させられるのである。
ことにシベリウスは素晴らしく、セルの構成と明確な指揮は、この曲をきわめてシンフォニックなスケールの大きなものにしている。
特に、北欧的な深い響きをもった金管の威力には、さすがコンセルトヘボウ管弦楽団であると思わせる。
この深い北欧の音があって初めてシベリウスは生きる。
主題の結び合わせとその発展のシンメトリーがシベリウスの生命であるが、セルの演奏はそれが実に緊密であり力強い。
指揮者の実力を再認識させるという意味においても、このような名盤には大きな意義があると考える。
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