2014年07月16日
諏訪内晶子&オラモのシベリウス&ウォルトン:ヴァイオリン協奏曲[SACD]
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近・現代の作品に強い共感を持ち、それらの作品を紹介する事に情熱を注いできた諏訪内の熱い思いが凝縮したアルバム。
最初に聴いて驚かされるのが、極上の高音質録音だ。
本演奏については、これまで、従来盤に加えて、SACDマルチチャンネル付きのハイブリッド盤や、SHM−CD盤が発売されているが、今回のシングルレイヤーによるSACD&SHM−CD盤は、これまでの数々のCDとは一線を画する画期的な高音質CDと言えるだろう。
マルチチャンネルは付いていないが、かつて発売されたSACDマルチチャンネルと比較しても、臨場感において何ら劣るものではないという点は、殆ど驚異とも言える。
筆者も、本盤を聴く前に、再生装置や音源は異なるものの、SACDマルチチャンネルを聴いていたが、それと全く遜色のない音場が形成されるのには、正直言って大変驚いた次第だ。
諏訪内は、最近では、結婚や不名誉な醜聞などもあって、低迷期にあると言えるが、本盤の録音当時は、ベストフォームにあったと言える。
女流ヴァイオリニストならではの詩情溢れる繊細な優美さが、持ち前の抜群のテクニックとも相俟って、各演奏において最高に結晶化していたからである。
特に、シベリウスにおいては、こうした若き日の諏訪内の素晴らしさが最高に発揮されており、おそらくは、同曲のトップの座を争う名演と高く評価したい。
ウォルトンの作品はハイフェッツの委嘱により作曲されたもので、現在ハイフェッツの愛用した銘器“ドルフィン”を貸与されている諏訪内の強い要望により、録音が実現されたもの。
諏訪内の“ドルフィン”を操ったヴァイオリン演奏の音色と指揮者サカリ・オラモ&バーミンガム市交響楽団の演奏がとてもよく合っていて、あらゆる両協奏曲の演奏・録音の中でも最高の出来映えの1つと言えよう。
そして、この若き日の諏訪内の見事なヴァイオリンを、その弓使いまで捉えた鮮明な高音質は、もはや筆舌には尽くしがたいハイレベルの音質に達しており、まさに完全無欠のSACDの登場と言えるだろう。
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