2013年04月13日

バレンボイム&シュターツカペレ・ベルリン/マーラー:交響曲第9番


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海外のマーラー・ファンにも大受けだった前作の第7番『夜の歌』に続いて第9番が登場。

この作品は、近年バレンボイムが各国で集中的に取り上げていた作品だけに、第7番をさらに上回る見事な演奏となった。

バレンボイムのここでのアプローチは実にホットなもので、少し前に出た癒し系でソフトなシノーポリ盤とは、テンポ設定や、音質、楽器配置など、いろいろな意味で対照的な演奏となっている。

とにかく実演の興奮の伝わる迫力満点の仕上がりとなっており、第2ヴァイオリンを右側に置いた対向配置ならではの立体的な音響効果もあって、作品の対位法的な魅力や和声構造の面白さを如実に分からせてくれるのが嬉しいところであるが、やはり凄いのはそのドラマティックでテンションの高い音楽づくりであろう。

第1楽章ではその激しい盛り上がりに驚かされるが、一方では、重要な意味合いを持つ室内楽的な部分も大変に充実している。

シュターツカペレ・ベルリンの面々は、どこをとっても深い共感を感じさせる心のこもった演奏を行なっていてとても魅力的。

第2楽章も通常のひなびた演奏とは大きく異なる過激なレントラーぶりが面白く、アクセント強調などによって高められたコントラストもたいへんに効果的。

マーラーが最後まで順番設定に悩んだという並列的なエピソードを、とにかく飽かせず聴かせる見事な演奏である。

第3楽章はさらに強烈で、マーラーがこの楽章に込めた現世への激しい苦悩と彼岸への憧憬、そしてもはや甘美に思い起こすことさえできなくなったノスタルジー、といった諸要素をバレンボイムは荒々しいまでにがむしゃらに突進して表現し、なおかつ各パートをそれぞれ主張させ、複雑で立体的で峻烈なテクスチュア造形を行なった刺激的な音楽として聴かせてくれる。

続く第4楽章も聴きもの。

ここではきわめて濃厚な情念が示されているが、しかしそれは通常よく聴かれる感傷的で平坦なものでは決してなく、うなりをあげるコントラバスに象徴されるように、大きく波打つホットな音楽が志向されているのだ。

コーダ(19:11-)ではもちろん澄んだ美しさが支配的だが、そこに至るまでの道のりでは、バレンボイム指揮するシュターツカペレ・ベルリンの場合、生々しい情感と激しい葛藤や相克が強く表されており、改めて作品本来の姿を示してくれた演奏として、軽い疲労感さえ伴うほどの深い感動を与えてくれる。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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