2013年06月24日
アーノンクールのブラームス:ドイツ・レクイエム
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アーノンクールの最円熟期を飾るに相応しい超名演であると高く評価したい。
アーノンクールといえば、ベートーヴェンやブラームス、シューベルト、ドヴォルザークの交響曲などに、数々の録音を遺してきているが、その際のアプローチは、古楽器奏法をイメージとした革新的とも言えるもの。
従来の伝統的、正統的なアプローチには背を向け、只管斬新な解釈を示すべく研鑽を積んできた。
ところが、本盤のドイツ・レクイエムにおいては、そのような革新性は皆無であり、むしろ、同曲に名演を遺してきた独墺系の指揮者、例えば、クレンペラーやカラヤンなどの、いわゆるドイツ正統派の解釈に列に連なる演奏を繰り広げていると言える。
アーノンクールも、かなりの回り道をしたが、ついに、ドイツ音楽の正統的な解釈の原点に立ち返ってきたと言える。
本演奏における、ゆったりとしたテンポによる威風堂々たるたたずまいは、まさに巨匠のなせる業と言えよう。
この曲に顕著な清澄さや、ここぞという時の壮麗な迫力、そして、絶妙なゲネラルパウゼなど、どこをとっても見事な表現を行っており、過去のいかなる同曲の名演も及ばない、至高・至純の境地に達していると言える。
アーノンクールの独特のアーティキュレーションも聴こえるが、ウィーン・フィルの献身的で非凡な音楽性と心を通わせているアーノルト・シェーンベルク合唱団の見事な歌唱力が、それらを実に自然に聴かせて、豊潤で柔らかで重厚な演奏に仕上がっている。
アーノンクールにとっては手兵とも言ってもいいアルノルト・シェーンベルク合唱団や、独唱陣、更には、ウィーン・フィルも最高のパフォーマンスを示していると言える。
録音も、ホールの残響を生かした名録音であり、本名演の価値を高めるのに大きく貢献している。
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