2013年05月04日
ケンペ&シュターツカペレ・ドレスデンのR.シュトラウス:アルプス交響曲、他
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ケンぺは、R・シュトラウスの協奏曲やオペラからの抜粋を含めたほぼ完全な管弦楽曲全集を録音したが、本盤は、当該全集から2曲を抜粋したCDだ。
いずれも、素晴らしい名演と高く評価したい。
アルプス交響曲は、カラヤン&ベルリン・フィルの名演が発売されて以降、録音点数が激増し、今や、多くの指揮者の主要レパートリーとなっているが、本盤の録音当時(1970年)は、他にも殆ど録音がなかった。
CD時代とLP時代の違いということも要因の一つと考えられなくもないが、現代の隆盛からすると隔世の感があると言える。
ケンペは、R.シュトラウスのこの傑作を、作曲者とも関係の深い名門シュターツカペレ・ドレスデンを率い、堅固な構成力で円熟の極致ともいえる名演を繰り広げている。
ケンぺの演奏の特色を一言で表現すると質実剛健ということになるのではないか。
最近の演奏が特色とする華麗さなどは殆ど見られない。
堅固な構成力を重視した演奏で、標題よりも、交響曲という形式に主眼を置いているような渋い印象を受ける。
シュターツカペレ・ドレスデンのいぶし銀の響きも、こうしたケンぺのアプローチを助長することに繋がっており、演奏が含有する内容の濃さ、味わい深さといった点では、アルプス交響曲の数々の名演の中でも最右翼に掲げるべきものであると考える。
同様の評価は、併録の克明にして精妙な「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」の演奏にも言える。
音質はもともとイマイチであったが、HQCD化によって、若干ではあるが、音質に鮮明さを増した点も高く評価したい。
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