2013年12月07日
ゲルギエフ&マリインスキー劇場管のプロコフィエフ:ロメオとジュリエット
この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。
素晴らしい名演だ。
オペラや劇音楽を得意とする炎のカリスマ指揮者ゲルギエフと手兵マリインスキー劇場管弦楽団によるこのアルバムは、全体の構成を明確に捉えながら劇的でダイナミックかつ情感豊かに表現したもので、舞台の動きを彷彿とさせる演奏を繰り広げている。
ゲルギエフは、3年前にも、現在の手兵であるロンドン交響楽団とともに、同曲の再録音に臨んだが、当該盤も、近年のゲルギエフの進境の著しさを表す名演ではあった。
しかしながら、オーケストラの性格も多分にあるとは思うが、やや角のとれた円満さが目立つきらいがないわけでもなかった。
ところが、本盤は、今から約20年も前の、ゲルギエフが新進気鋭の指揮者として注目を広めつつあった時期の録音でもあり、しかも、オーケストラがマリインスキー劇場管弦楽団であることもあって、ロシア風の民俗色溢れた力強い名演に仕上がっている点を高く評価したい。
最新盤とは異なり、SACDマルチチャンネル盤ではないが、従来盤であっても、素晴らしい音質で捉えられており、音質面においても、遜色のないものとなっている。
ゲルギエフの素晴らしい点は、新盤でもそうであったが、オペラを数多く指揮している指揮者だけに、長大な作品全体を、冗長さを感じさせることなく、実に見事に纏め上げている点であり、2時間以上も要するこの作品を、聴き手の集中力をいささかも切らせることなく、一気呵成に聴かせてしまう点は、オペラ指揮者としてのゲルギエフの真骨頂とも言える。
いい意味での演出巧者とも言えるところであり、これはゲルギエフの指揮者としての大きな強みと言える。
ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング
フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室。