2013年07月23日
シフ&ショルティのブラームス:ピアノ協奏曲第1番
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ショルティは、ブラームスの交響曲全集を1980年代になって初録音したことで知られている。
これは、広範なレパートリーを誇るショルティの七不思議の一つとして捉えられたが、満を持して取り組んだだけに、期待をたがわぬ名演であった。
本盤は、全集を完成して7年後の録音であるが、1980年代も後半になって、演奏に奥行きと懐の深さを感じさせるようになったショルティならではの名演と高く評価したい。
シフとショルティ指揮ウィーン・フィルの組み合わせが、聴き慣れた作品に新鮮な魅力を与えている。
最大の原因はショルティが彼の個性とオーケストラの個性を完全に融合させたことにある。
ブラームスのピアノ協奏曲第1番は、オーケストラパートが特に分厚く書かれており、オーケストラ演奏が薄っぺらでは話にならないが、ここでのショルティの指揮はこれ以上は求め得ないような重厚なもので、ショルティとの相性が必ずしも良くはなかったウィーン・フィルも、ここではショルティの指揮の下、最高のパフォーマンスを示していると言える。
こうした素晴らしいバックの下、シフも堂々たるピアニズムを披露している。
シフは大上段に作品と対決せず、美しい音色でどのフレーズからもそれぞれの感情の微妙なニュアンスを引き出している。
第1楽章の展開部を開始する和音の艶やかな音色と充実した響きは、力強くのびのびとした気分をもたらす。
同国人であるショルティにも、その音楽性において深く共鳴するものがあるのだとは思うが、強靭な打鍵から繊細な抒情に至るまで、ブラームスの青雲の志を見事に描き出していると言える。
併録のシューマンの主題による変奏曲は、カップリングの抜群のセンスの良さとともに、演奏内容も、ショルティとの息の合った至高の名演と高く評価したい。
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