2013年09月13日
小澤&ボストン響のベルリオーズ:幻想交響曲/ラヴェル:ボレロ、亡き王女のためのパヴァーヌ
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圧倒的な超名演だ。
小澤は、若い頃よりフランス系の音楽を十八番として、頻繁に演奏してきたが、ここでもそうした小澤の天賦の才能が全開だ。
ここでの小澤は、まさに水を得た魚の如く、自らの才能の赴くままに、のびのびと自由闊達に演奏を行っているような印象を受ける。
幻想交響曲の録音は、ボストン交響楽団の音楽監督就任の年のものであるが、そうした記念の年に録音を行ったという事実は、小澤の同曲への深い愛着と同時に、その自信のほどが窺える。
演奏全体に、若き日の小澤ならではの、畳み掛けるような気迫と力強さが支配しており、切れば血が出るほどに熱い情熱に満ち溢れている。
特に、第4楽章の切れ味鋭いリズム感と強靭さ、終結部に向けての猛烈なアッチェレランドは圧巻の迫力だ。
それでいて、力任せの空虚な演奏にはいささかも陥っておらず、フランス音楽ならではの瀟洒な味わいと内容の濃さを失っていない点を高く評価したい。
小澤は、緩急自在のテンポ設定や、広範なダイナミックレンジ、アッチェレランドを巧みに駆使して、ドラマティックな演奏を行っているのだが、交響曲全体の造型がいささかも弛緩しないというのは、小澤の類稀なる才能とともに、小澤のベルリオーズとの抜群の相性の良さを大いに感じるのである。
併録の「ボレロ」や「亡き王女のためのパヴァーヌ」も、後年の録音のようにやや洗練され過ぎるという愚に陥ることはいささかもなく、若き日の小澤の生命力溢れる力強さと、フランス風の瀟洒な味わいが見事に融合した稀有の名演だ。
小澤の統率の下、ボストン交響楽団は素晴らしい演奏を披露しており、特に、金管楽器や木管楽器の卓越した技量は圧巻の凄さだ。
SHM−CD化によって、音質に鮮明さと音場の広さが加わった点も評価したい。
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