2013年05月02日
小澤&ボストン響のベルリオーズ:ファウストの劫罰
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小澤征爾のボストン交響楽団の音楽監督就任後間もない頃の録音であるが、今なお小澤の代表盤の一つであるとともに、同曲のトップの座を争う名演と高く評価したい。
小澤は、現在でこそ、ブラームスなどのドイツ音楽でも素晴らしい名演を聴かせてくれているが、若き時代には、どちらかと言うと、フランス系の音楽を十八番として、より頻繁に採り上げていた。
本盤の録音の前後には、メシアン、ラヴェル、フォーレなど、今なお他の追随を許さないような名演の数々を生み出してるが、本盤のベルリオーズも大変得意としていた。
今回のシリーズでは、本盤の「ファウストの劫罰」と幻想交響曲が再発売されるが、演奏の質の高さからしても、大いに歓迎すべきであることであると言える。
それにしても、本盤の小澤のセンス満点の音楽性の豊かさを何と表現すればいいのであろうか。
どこをとっても、切れば血が出るような生命力に満ち溢れており、それでいて、フランス音楽ならではの洒落た味わいにもいささかの不足はない。
各場面毎の描き分けも実に巧みに行っており、その演出巧者ぶりは、ウィーン国立歌劇場のシェフとして辣腕を振るった後年の円熟の小澤を彷彿とさせるのに十分だ。
独唱陣はいずれも秀逸であるが、特に、ファウスト役のスチュアート・バロウズの歌唱が素晴らしい。
タングルウッド音楽祭合唱団もいつもながら見事な歌唱を聴かせてくれているが、随所で活躍するボストン少年合唱団の歌唱は、至純・至高の美しさを誇っており、本名演に大きく貢献していることを忘れてはなるまい。
ボストン交響楽団も最高のパフォーマンスを示しており、これから若き小澤を盛り立てていこうという力強い気迫さえ感じられる。
録音も合唱を含め全体を鮮明に捉え切った見事なものであり、高く評価したい。
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