2014年08月09日
小澤&ボストン響のアイヴス:交響曲第4番、他
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現代音楽にも数多くの名演を成し遂げてきた小澤ならではの素晴らしい名演だ。
交響曲第4番の第1楽章の冒頭の低弦等による切れ味鋭い音楽からして実に内容豊か。
その後に入ってくる合唱は美しさの極みであり、このあたりの表情の変転の巧みさは、いかにも演出巧者たる小澤の面目躍如と言ったところだろう。
第2楽章の開始も実に不気味。その後の音楽展開はアイヴズが作曲した最も複雑怪奇な音楽と言えるが、小澤は、テンポの緩急や幅の広いダイナミックレンジ、不協和音の強調、猛烈なアッチェレランドを駆使するなど、あらゆる表情づけを行って複雑な楽想を精緻に紐解いていく。
小澤は、ここではかなり思い切った自由闊達とも言える表現を行っているのだが、音楽が崩壊してしまうということはいささかもなく、全体の造型が弛緩することがないというのは驚異的な至芸と言える。
第3楽章は、一転して情感の豊かさが際立つ。
弦楽合奏による美しい旋律を徹底的に歌い抜くなどして、至高・至純の美しい音楽を構築している。
小澤の表現力の幅の広さの成せる業と言えるだろう。
終楽章は、トゥッティに向けてじわじわと高揚していく緊迫感が見事であり、その畳み掛けていくような燃焼度の高さは、若き小澤の真骨頂。
その後の合唱の壮麗さも特筆すべきであり、これは小澤渾身の快演とも言えるのではないだろうか。
「宵闇のセントラル・パーク」は、この曲が含有する抒情豊かさとモダニズムの融合を見事に描出しており、バーンスタインの超名演にも肉薄する名演と高く評価したい。
SHM−CD化によって、音質が鮮明になるとともに、音場が広くなったことも、本盤の価値を高めるのに大きく貢献している。
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