2013年04月30日

ジュリーニ&ベルリン・フィルのマーラー:『大地の歌』(1984年ライヴ)


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



ジュリーニは、録音に際して徹底した完成度を追求して臨んだ完全主義者でもあったことから、大指揮者と称される割には録音の点数、そしてレパートリーも、必ずしも数多いとは言い難かった。

マーラーの交響曲についても、全曲を演奏していたわけではなく、遺された録音も第1番、第9番、そして「大地の歌」に限られていたところだ。

このうち、「大地の歌」については、これまでのところベルリン・フィルとのスタジオ録音(1984年)とウィーン・フィルとのライヴ録音(1987年)の2種が発売されていた。

本盤の演奏は、ベルリン・フィルとのライヴ録音であるが、これは前述のスタジオ録音の直前のものである。

同じベルリン・フィルであることや、独唱陣も同一、そして同じベルリン・フィルハーモニーホールでの録音ということであり、演奏内容も同様かというと、必ずしもそうとは言い切れないところである。

確かに、ジュリーニの基本的なアプローチには変更はないと思われるが、スタジオ録音と比較すると本演奏は全体で2分半ほど速くなっており、全体で約60分程度の演奏時間であることに鑑みれば、これはかなりの違いなのではないだろうか。

ジュリーニの本演奏におけるアプローチは、例によってきわめて格調が高いものであり、そしてイタリア人指揮者ならではの豊かな歌謡性と気品のある優美な極上のカンタービレに満ち溢れた指揮に、堅固な造型と重厚さを兼ね備えたものである。

そして、前述のスタジオ録音と比較して、本演奏の方は、ライヴ録音ならではの熱気が演奏全体を更に強靭な気迫のこもったものとしており、その圧倒的な生命力に満ち溢れた迫力においてはスタジオ録音を大きく凌駕している。

独唱陣も、メゾ・ソプラノのブリギッテ・ファスベンダー、テノールのフランシスコ・アライサともに最高の歌唱を披露しているのも素晴らしい。

いずれにしても、本演奏はジュリーニの卓越した指揮芸術を堪能できる至高の名演と高く評価したい。

なお、1987年のウィーン・フィル盤との優劣の比較は困難を極めるところであり、ウィーン・フィルならではの美演に鑑みればウィーン・フィル盤の方に軍配を上げたくなるが、当該盤は低音の過度のカットで悪名高いオルフェオレーベルであり、音質面を考慮に入れると両者同格の名演であると考えるところだ。

そして、本盤の音質については、今から30年近く前のライヴ録音とは思えないような鮮明な高音質であると評価したい。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 21:23コメント(0)トラックバック(0)マーラー | ジュリーニ 

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ