2013年04月30日

ジュリーニ&ベルリン・フィルのシューベルト:交響曲第8番「未完成」/第9番「ザ・グレート」(1977年ライヴ)


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ジュリーニは、シューベルトの交響曲第8番「未完成」と第9番「ザ・グレート」を得意としており、「未完成」については、フィルハーモニア管弦楽団(1961年)、シカゴ交響楽団(1978年)、そしてバイエルン放送交響楽団(1993年ライヴ)との演奏、「ザ・グレート」については、ロンドン・フィル(1975年ライヴ)、シカゴ交響楽団(1977年)、そしてバイエルン放送交響楽団(1993年ライヴ)との演奏といった数多くの録音が遺されており、いずれ劣らぬ名演と言えるところだ。

若き日のフィルハーモニア管弦楽団との演奏やオーケストラの力量にいささか難があるロンドン・フィルとの演奏は別として、本盤のベルリン・フィルとの両曲の演奏は、シカゴ交響楽団との録音とほぼ同じ時期のものである。

そして、スタジオ録音とライヴ録音の違いはあるものの、演奏内容としてはほぼ酷似していると言えるのではないだろうか。

ジュリーニのこれらの演奏におけるアプローチはきわめて格調が高いものであり、そしてイタリア人指揮者ならではの豊かな歌謡性と気品のある優美な極上のカンタービレに満ち溢れた指揮に、堅固な造型と重厚さを兼ね備えたものである。

そして、シカゴ交響楽団との演奏と比較して、本演奏の方は、ライヴ録音ならではの熱気が演奏全体を更に強靭な気迫のこもったものとしており、その圧倒的な生命力に満ち溢れた迫力においては、そしてベルリン・フィルのドイツ風の重厚な音色の魅力も相俟って、シカゴ交響楽団とのスタジオ録音を大きく凌駕していると言える。

また、ジュリーニは前述のように、晩年になってバイエルン放送交響楽団とともに両曲を録音しており、テンポがゆったりとした分だけスケールは大きくなっているが、全体の造型にいささか綻びが見られるとともに、若干ではあるが重厚さよりも優美さに傾斜し過ぎている傾向があることから、筆者としては、本演奏の方をより上位に掲げたい。

いずれにしても、本演奏は、ジュリーニによる両曲の数ある演奏の中でも最高の名演と高く評価したいと考える。

音質についても、今から35年程も前のライヴ録音とは思えないような鮮明な高音質であると評価したい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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