2013年05月01日

ゲルギエフのショスタコーヴィチ:交響曲第3番「メーデー」、交響曲第10番


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両曲ともに素晴らしい名演だ。

現在の様々な指揮者の中で、ショスタコーヴィチの交響曲の名演を成し遂げる可能性がある指揮者と言えば、これまでの実績からして、本盤のゲルギエフのほかは、インバル、ラトルなどが掲げられると思うが、インバルは、ウィーン交響楽団との全集完成以降は新たな録音が存在せず、ラトルも「第4」の超名演以外には論ずるに値する名演を成し遂げているとは言い難い。

他の指揮者による名演もここ数年間は成し遂げられていないという現状に鑑みると、現在では、ショスタコーヴィチの交響曲の演奏についてはゲルギエフの独壇場と言えるのかもしれない(もっとも、一昨年発売された若手指揮者のクルレンツィスによる交響曲第14番「死者の歌」は名演であったが)。

いずれにしても、本盤に収められた名演は、このような考え方を見事に証明するものと言えるだろう。

特に、第10番が壮絶な名演だ。

第10番の過去の名演としては、初演者として同曲が有する精神的な深みを徹底して追求したムラヴィンスキーの名演(1976年)と、鉄壁のアンサンブルと卓越した管楽器奏者の技量によって、圧倒的な音のドラマを構築したカラヤンの名演(1981年)が双璧であると考えられる。ゲルギエフは、この両雄の薫陶を受けた指揮者であるが、本盤の演奏は、どちらかと言うと、ムラヴィンスキーの系列に繋がるものと言える。

全体として堅固な造型を構築しつつ、畳み掛けていくような緊迫感や、生命力溢れる力強さは圧巻の迫力を誇っていると言える。

スコアに記された音符の表層をなぞるだけでなく、スターリン時代の粛清や死の恐怖などを描いたとされている同作品の本質をこれだけ音化し得た演奏は、おそらくはムラヴィンスキー以来初めてではないかとさえ思われるほどだ。

その壮絶とも言える圧倒的な迫力は、我々聴き手の肺腑を打つのに十分だ。

他方、第3番は、ショスタコーヴィチの各交響曲の中でも、第2番と並んであまり演奏されない楽曲と言えるが、ゲルギエフは、同曲においても、楽曲の本質を抉り出していくような鋭さを感じさせる凄みのある演奏を披露しており、おそらくは、同曲演奏史上ベストを争う名演と高く評価したい。

ゲルギエフの統率の下、手兵マリインスキー劇場管弦楽団は最高のパフォーマンスを示していると言える。

マルチチャンネル付きのSACDによる極上の高音質録音も、本名演の価値を高めるのに大きく貢献している点を忘れてはならない。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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