2013年05月06日

パイヤール&イギリス室内管のモーツァルト:交響曲第35番「ハフナー」&第36番「リンツ」&第37番(第1楽章)


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素晴らしい超高音質XRCDの登場だ。

今から30年以上も前の録音であるにもかかわらず、あたかも最新の録音のように鮮明な音質であるというのはほとんど驚異的であり、あらためてXRCDの潜在能力の高さを思い知った次第だ。

特に、各弦楽セクションの動きが明瞭にわかるほどの鮮明さは、弦楽合奏を中核とするモーツァルトの交響曲の録音の理想的な結実と言える。

これだけの高音質録音であると、演奏自体もより輝きを増してくるのは必然のことと言えるだろう。

本盤には、モーツァルトの交響曲第35番、第36番及び第37番第1楽章が収められているが、このうち、第35番については文句の付けようがない名演と評価したい。

第35番は、モーツァルトによるいわゆる後期6大交響曲の中では、最も愉悦性に富んだものと言える。

それは、同曲がもともとセレナードから転用されたことにも起因しているものと考えられるが、他方、そうした経緯から、内容においては他の交響曲と比較するといささか乏しいと言わざるを得ない。

したがって、音楽内容の精神的な深みを追求するような演奏を必ずしも必要とはしない交響曲とも言えるところであり、むしろ、曲想をいかにセンス良く優美に描き出すかが求められていると言える。

こうなるとパイヤールは俄然その力を発揮することになる。

パイヤールのフランス人ならではのセンス満点の洒落た味わいが演奏に独特の魅力を付加し、極上の豊穣な味わいの美演を成し遂げることに成功している。

これに対して、第36番の方はやや事情が異なってくる。

同交響曲には、ワルター&コロンビア響(1960年)やバーンスタイン&ウィーン・フィル(1966年)などのシンフォニックな名演が目白押しであり、そのような海千山千の大指揮者による重厚な名演と比較すると、本演奏は旗色が悪いと言わざるを得ない。

しかしながら、古楽器奏法やピリオド楽器による演奏に慣れた現在の我々の耳で本演奏を聴くと、あたかも故郷に帰省した時のようなほっとした気分になると言えるところであり、第36番を安定した気持ちで味わうことができるという意味においては、第35番と同様の味わい深い豊穣な名演と評価するのにいささかの躊躇もしない。

なお、第37番第1楽章は、殆ど録音される機会の無い楽曲だけに、そもそも録音自体が貴重であり、演奏自体も素晴らしい演奏と評価したい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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