2013年05月06日
パイヤール&イギリス室内管のモーツァルト:交響曲第38番「プラハ」&第39番
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やはりXRCDは素晴らしい。
本盤のような極上の高音質録音を聴いていると、あらためてXRCDの潜在能力の高さを思い知らされる。
他のXRCDでも同様のことが言えると思うが、30年以上も前の1970年代の録音が、最新録音に匹敵するような鮮明な音質に生まれ変わるというのは殆ど驚異的ですらある。
1960年代や1970年代はLPの全盛時代であり、その大半の録音が既にCD化されてはいるが、SACD化されたものは別格として、その殆どはLPを凌駕する音質に至っていないとさえ言える。
また、この時代の録音には、かつての巨匠による歴史的な名演も数多く含まれている。
この場を借りて、本盤のようなXRCD化、可能であればSACD化を行って、音質の更なる向上努力を求めたいと考える。
本XRCD盤も、あたかも最新録音であるかのように鮮明で素晴らしい高音質であるが、これだけの高音質であると、演奏自体もより一層素晴らしい演奏のように思えてくることになるのが実に不思議だ。
本盤には、モーツァルトの交響曲第38番と第39番が収められているが、両曲ともにかつての大指揮者が至高の名演を遺してきた。
第38番については、ワルター&コロンビア響(1959年)とシューリヒト&パリオペラ座管(1963年)の名演があったし、第39番については、ムラヴィンスキー&レニングラード・フィル(1965年)などの名演が掲げられる。
したがって、このような海千山千の大指揮者による個性的な名演と比較すると、他の指揮者による演奏はいささか不利な状況にあると言わざるを得ないが、本パイヤールによる演奏は、フランス人指揮者ならでは独特の瀟洒な洒落た味わいに満ち溢れている。
少なくとも、近年の古楽器奏法やピリオド楽器を使用した軽妙とも言えるモーツァルトの交響曲演奏に慣れた耳で本演奏を聴くと、あたかも故郷に帰省した時のように安定した気持ちになると言えるところであり、筆者としては、楽曲の魅力をいささかも奇を衒うことなく、ダイレクトに聴き手に伝えてくれるという意味においては、本演奏も豊穣な味わいに満ち溢れた名演と評価したいと考える。
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