2013年05月06日

パイヤール&イギリス室内管のモーツァルト:交響曲第40番&第41番「ジュピター」


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XRCDの潜在能力の高さをあらためて思い知らされる超高音質CDの登場だ。

本盤に収められた演奏は1977年のものであるが、今から30年以上の前のものとは思えないような鮮明な高音質である。

モーツァルトの交響曲の録音のポイントは、弦楽合奏をいかに鮮明に捉えることができるのかにかかっていると言えるが、本XRCDにおいては、各弦楽セクションの動きが明瞭にわかるほどの鮮明さであり、ある意味では、モーツァルトの交響曲の録音の理想の具現化と評価したい。

これほどの鮮明な高音質であると、演奏がより一層魅力的に聴こえるのが実に不思議だ。

モーツァルトの交響曲の演奏様式は、今やピリオド楽器の使用や、現代楽器を使用した古楽器奏法によるものが主流となっている。

しかしながら、そうした演奏様式が時代考証学的には正しいものであっても、芸術的な感動を覚えるかどうかとは別問題と言えるのではないだろうか。

本盤に収められた交響曲第40番について言えば、ワルター&ウィーン・フィル(1952年)やワルター&コロンビア響(1959年)、ベーム&ベルリン・フィル(1961〜1962年)などのシンフォニックな名演があった。

また、交響曲第41番について言えば、ベーム&ベルリン・フィル(1961〜1962年)などの名演があり、これら両曲の重厚な名演は、前述のような演奏様式が一般化している現在においてもなお愛聴している聴き手が多いのではないだろうか。

本パイヤール盤は、そうした大指揮者によるシンフォニックな演奏の系列に連なる演奏ということが可能だ。

イギリス室内管弦楽団という比較的小編成のオーケストラを起用はしているが、演奏自体はシンフォニックなものであり、ピリオド楽器の使用や古楽器奏法などとは全く無縁である。

もちろん、前述のようなワルターやベームなどの往年の名演と比較して云々することは容易ではあるが、現在の演奏様式に辟易としている聴き手にとっては、本演奏を、故郷に帰省した時のような安定した気持ちで聴くことができるのではないだろうか。

本演奏に特別な個性や才能の輝きなどはないが、その分、フランス人指揮者ならではの洒落た味わいに満ち溢れており、筆者としては、楽曲の魅力を聴き手にダイレクトに伝えるという意味においては、豊穣な味わいの名演と高く評価したいと考える。

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classicalmusic at 21:36コメント(0)トラックバック(0)モーツァルト | パイヤール 

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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