2013年05月09日
レヴァイン、ヘッツェル、クリストらのシューベルト:ピアノ五重奏曲「ます」/ハーゲンSQのシューベルト:弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」
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本盤にはシューベルトの室内楽曲の中でもとりわけ有名なピアノ五重奏曲「ます」と弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」が収められており、いずれも素晴らしい名演と評価し得るところであるが、とりわけユニークなのは、ピアノ五重奏曲「ます」と言えるのではないだろうか。
というのも、同曲の演奏に際しては、既存の弦楽四重奏団が名のあるピアニストを招聘して行うのが主流であるからである。
本演奏の場合は、ウィーン・フィルやベルリン・フィルのトップ奏者に、専業指揮者であるレヴァインによるピアノが加わるという、ある意味では極めて珍しい組み合わせと言えるであろう。
本演奏においては、ヘッツェルやクリストなどの弦楽合奏の美しさは言うまでもないところであるが、何と言ってもレヴァインのピアノが素晴らしい。
筆者も、聴く前はその体躯を活かした大味な演奏をするのかと思っていたがさにあらず、繊細にして清澄な美しさに満ち溢れた情感豊かな演奏を披露してくれている。
前述の弦楽奏者との相性も抜群であり、ピアニストも含めた各奏者の息の合った絶妙のハーモニーの美しさにおいては、同曲の他の名演にもいささかも引けを取っていない素晴らしい名演と高く評価したい。
弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」は、いかにもハーゲン弦楽四重奏団ならではの情感豊かな演奏であるが、同曲特有の劇的でドラマティックな表現においてもいささかの不足はない。
音質は、従来盤でも十分に満足できる高音質であったが、今般のSHM−CD化によって音質はピアノのタッチや弦楽の弓使いまでがさらに鮮明に再現されるようになったところであり、音場も若干ではあるが幅広くなったように思われる。
いずれにしても、このようなシューベルトによる室内楽曲の名演を、SHM−CDによる高音質で(しかも81分も!)、味わうことができるのを大いに喜びたい。
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