2013年05月15日

ホーネック&ピッツバーグ響のマーラー:交響曲第3番


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本盤に収められたマーラーの交響曲第3番の演奏は、ホーネック&ピッツバーク交響楽団によるマーラーチクルス第3弾である。

このコンビは、既に交響曲第1番と第4番を録音しており、今後は残る大規模長大な交響曲の中でどれを一番最初に採り上げるのか興味深々であったが、第3番というマーラーの交響曲の中でも最も規模が大きい交響曲を手掛けたところに、このコンビの自信のほどを窺い知ることが可能だ。

これまで録音された第1番や第4番においてホーネックが行ったアプローチは、マーラーが記した複雑なスコアを細部に至るまで精緻に描き出すというものであった。

これはいかにもヴァイオリン奏者出身の指揮者ならではのものと言えるが、そうした精密とも言える演奏をエクストンによる極上の高音質録音が下支えし、第1番や第4番の演奏史上、最も精緻な美しさを誇る名演として高い評価を受けたのは記憶に新しい。

今般は、第3番という長大な交響曲であり、果たしてこれまでと同様のアプローチを徹底させるのは困難ではないかと思ったところであるが、ホーネックはその困難を見事に克服してしまった。

本演奏は、その精緻さといい、細部への拘りといい、おそらくはマーラーのスコアをこれほど精密に音化した例は同曲演奏史上初めてと言えるのではないだろうか。

もちろん、無機的でメカニックな演奏に陥っていないのは、第1番や第4番の場合と同様であり、どこをとっても情感の豊かさを失っていないのが素晴らしい。

そして、随所において聴かれる優雅なレガートにも格調の高さをいささかも損なっていないのも見事である。

このような精緻なアプローチを徹底させるにはオーケストラの卓越した技量が必要となるが、必ずしも一流とは言い難いピッツバーク交響楽団が、本演奏では精度の高い圧巻の名演奏を繰り広げている。

これは、紛れもなくホーネックによる薫陶の賜物と言えるだろう。

とりわけ、第1楽章におけるサリヴァンによるトロンボーンソロや、第3楽章のハーセスの直弟子であるヴォスバーグによるポストホルンは秀逸であり、抗し難い美しさを誇っている。

第4楽章におけるミシェル・デ・ヤングの歌唱も美しさの極みであるし、第5楽章におけるメンデルスゾーン合唱団やチルドレンズ・フェスティバル合唱団も最高のパフォーマンスと誇っている。

そして、第1番及び第4番でも話題となった名録音は、本盤においても健在である。

若干、残響が多すぎるきらいがないわけではない(とりわけ第1楽章冒頭)が、エクストンが手掛けたSACDによる優秀録音は、圧巻の高音質を誇っており、ホーネックによる精緻な名演のグレードを更にアップさせるのに大きく貢献しているのを忘れてはならない。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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