2013年05月23日
ルービンシュタインのブラームス:ピアノ・ソナタ第3番、間奏曲、ロマンス
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本盤には、ブラームスの初期の作品であるピアノ・ソナタ第3番と、最晩年の傑作である間奏曲及びロマンスが収められている。
いずれも、ルービンシュタインならではの名演と言えるところであるが、とりわけ間奏曲を至高の超名演と高く評価したい。
ブラームスの間奏曲については、グールドやアファナシエフなどによる超個性的な名演が大きな存在感を発揮している。
これらの鬼才による名演と比較すると、ルービンシュタインにいる本演奏はむしろオーソドックスなものと言えなくもない。
しかしながら、一聴すると何でもないように聴こえる各フレーズの端々から滲み出してくる寂寥感や懐の深い滋味豊かさは、抗し難い魅力に満ち溢れていると言えるところであり、これはまさに人生のあらゆる辛酸を舐め尽くした巨匠だけに可能な大人(たいじん)の至芸であろう。
かかる演奏は、神々しいまでの崇高さを湛えているとさえも評価することが可能であるが、それでいて峻厳さは皆無であり、聴き手が安定した気持ちで同曲の魅力を味わうことができるというのも本演奏の大きな魅力の一つである。
併録のロマンスやピアノ・ソナタ第3番も名演。
特にピアノ・ソナタ第3番は、ブラームスの青雲の志を描いた作品だけに超絶的な技量を有する作品であるが、ここでのルービンシュタインは卓越した技量は当然のことながら、技量偏重にいささかも陥ることはなく、強靭な打鍵から繊細な抒情に至るまで圧倒的に幅の広い表現力を大胆に駆使して、実に内容豊かで情感に満ち溢れた演奏を展開しているのが素晴らしい。
また、本盤で素晴らしいのはXRCDによる極上の高音質である。
本演奏は、いずれも今から50年以上も前のスタジオ録音であるが、今般のXRCD化によって、信じられないような鮮度の高い音質に生まれ変わった。
ルービンシュタインのピアノタッチが鮮明に再現されるのは、殆ど驚異的ですらある。
ルービンシュタインによる至高の超名演を、XRCDによる極上の高音質で味わうことができるのを大いに歓迎したいと考える。
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