2013年05月24日
ライナー&シカゴ響のマーラー:交響曲第4番
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ライナー&シカゴ交響楽団によるマーラーの交響曲の録音は、本盤に収められた「第4」と「大地の歌」の2曲しか遺されていない。
しかしながら、遺された演奏は、いずれも一聴に値する名演であると評価したい。
シカゴ交響楽団によるマーラーの演奏としては、後年のショルティによる全集が有名である。
同じハンガリー人であることもあり、表向きは類似しているとも言えるところだ。
両者ともに、全体を引き締まった造型で纏め上げるとともに、シカゴ交響楽団の卓越した技量を存分に駆使して、壮麗にオーケストラを鳴らしていくというアプローチを行っている。
もっとも、ショルティの演奏と大きく異なるのは、ライナーの演奏は、オーケストラの技量臭をいささかも感じさせないということであろう。
ライナー時代のシカゴ交響楽団には、特に高弦において顕著であるが艶やかな美しさに満ち溢れていた。
したがって、本演奏においても、シカゴ交響楽団の持つ艶やかな音色が、ライナーの引き締まった剛直とも言える演奏に、適度の潤いと温かみを付加することに成功し、いささかも無機的には陥らない情感豊かな演奏に仕立て上げるのに大きく貢献している。
第4楽章におけるソプラノのリーザ・デラ・カーザも、最高の歌唱を披露していると高く評価したい。
そして、何よりも素晴らしいのはXRCDによる極上の高音質である。
本演奏は1958年のスタジオ録音であるが、今から50年以上も前の録音とは思えないような鮮度の高い音質に生まれ変わっており、当時のシカゴ交響楽団の艶やかな音色が鮮明に再現されるというのはほとんど驚異的ですらある。
あらためてXRCDの潜在能力の高さを思い知った次第である。
いずれにしても、ライナーによる希少なマーラーの名演を、現在望み得る最高の高音質XRCDで味わうことができるのを大いに歓迎したい。
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