2013年05月27日
小澤&ボストン響のストラヴィンスキー:バレエ組曲「火の鳥」、バレエ音楽「ペトルーシュカ」
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本盤にはバレエ音楽「ペトルーシュカ」とバレエ組曲「火の鳥」という、ストラヴィンスキーの3大バレエ音楽を構成する人気曲が収められているが、いずれも驚くべき超名演だ。
両演奏ともに小澤がボストン交響楽団の音楽監督に就任する前の録音であり、いまだ30代の若き小澤が世界に羽ばたこうとしていた熱き時代のものである。
この当時の小澤の演奏は、豊かな音楽性を生かしつつ、軽快で躍動感溢れるアプローチに加えて、エネルギッシュで力強い生命力に満ち溢れていた。
トゥッティに向けて畳み掛けていくような気迫と力強さは圧倒的な迫力を誇っており、切れば血が噴き出てくるような熱い情感に満ち溢れている。
両曲の随所で聴かれるロシア風の抒情的な旋律の歌い方もいささかも重々しくなることはなく、瑞々しさを感じさせてくれるのが素晴らしい。
ボストン交響楽団も、この当時は音楽監督に就任することなど夢想だにはしなかったであろうが、若き才能溢れる指揮者の統率に導かれて、力感溢れる大熱演を披露している。
なお、バレエ音楽「ペトルーシュカ」については、これが小澤にとっての唯一の録音であり、他方、バレエ組曲「火の鳥」については、その後、1911年版による全曲録音を1972年及び1983年の2度にわたって行っているが、1919年版による組曲は本演奏が唯一の録音である。
その意味では、両演奏ともに貴重な演奏ということができるところであり、若き小澤の才気が爆発した稀有の超名演と高く評価したい。
バレエ音楽「ペトルーシュカ」におけるティルソン・トーマスによるピアノ演奏も、小澤の指揮ともどもノリノリの爽快さが素晴らしい。
また、本盤で素晴らしいのはXRCDによる極上の高音質である。
本演奏については1969年のスタジオ録音であるが、とても今から40年以上も前のものとは思えないような鮮明な音質であり、あらためてXRCDの潜在能力の高さを思い知った次第である。
小澤による超名演を、XRCDによる極上の高音質で味わうことができるのを大いに歓迎したい。
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