2013年06月17日

サヴァリッシュ&ウィーン・フィルのモーツァルト:交響曲第39番、ブルックナー:交響曲第9番


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本演奏を聴いて大変驚くとともに深い感銘を覚えた。

サヴァリッシュと言えば、どうしてもNHK交響楽団を指揮した、立派ではあるが大人しい演奏が印象的であるだけに、筆者としても、これまで所詮はベームの亜流指揮者としてあまり高い評価をして来なかった。

史上最年少でバイロイト音楽祭に登場するなど、才能には抜群のものがあり、凡演は少ないものの、他の指揮者を圧倒するような名演を成し遂げることも殆どないと言ったところが、これまでのサヴァリッシュに対する共通の評価と言えるのかもしれない。

しかしながら、本盤の両曲の演奏は、そうした印象を覆すのに十分な圧倒的な演奏と言えるのではないだろうか。

冒頭のモーツァルトの交響曲第39番からして、重厚で彫りの深い表現に大変驚かされる。

演奏全体の堅固な造型美は相変わらずであるが、それ以上にどこをとってもあたりを振り払うような威容に満ちた風格が漂っているのが素晴らしい。

あたかもベートーヴェンの交響曲に接する時のような硬派の演奏と言えるが、それでいて四角四面に陥らず、モーツァルトらしさをいささかも失わないというのは、多分にウィーン・フィルによる美演によるところが大きいと言える。

いや、むしろ、ウィーン・フィルにこれだけの名演奏をさせたサヴァリッシュの類稀なる才能と統率力を褒めるべきであろう。

いずれにしても、このような素晴らしい超名演を聴いていると、ベームがサヴァリッシュを何故に高く評価し、信頼していたのかがよく理解できるところだ。

次いで、ブルックナーの交響曲第9番も凄い超名演だ。

まさに壮絶の極みとも言うべき豪演であり、指揮者の名前を伏せて聴くと、サヴァリッシュによる演奏であると言い当てる者は殆どいないのではないか。

とてもNHK交響楽団を指揮していたサヴァリッシュとは思えないような凄みのある指揮ぶりであり、多くの聴き手が、サヴァリッシュに対するこれまでの印象を大きく変えるきっかけとなるかもしれない。

そして、おそらくは、サヴァリッシュによる最高の超名演と言っても過言ではないと言えるのではないだろうか。

第1楽章からしてテンションは全開。

とかく安全運転に終始しがちなサヴァリッシュ&NHK交響楽団による演奏とはそもそも次元が異なる緊迫感に貫かれていると言えるところであり、どこをとっても濃密かつ重厚な音楽が紡ぎ出されているのが素晴らしい。

ブラスセクションなども最強奏させているが、いささかも無機的になることなく、懐の深さを有しているのが見事である。

第2楽章の速めのテンポによって畳み掛けていくような気迫や怒涛のような重量感溢れる進軍にはただただ手を汗握るのみ。

本気になった指揮者とオーケストラによる真剣勝負のぶつかり合いがここにあると言えるだろう。

終楽章も凄まじい。

1990年代にヴァントや朝比奈が成し遂げた悠揚迫らぬインテンポによる演奏とは大きく異なり、テンポの効果的な振幅なども織り交ぜたドラマティックな表現も駆使しているが、ブルックナーらしさをいささかも失わないというのは、サヴァリッシュがブルックナーの本質をしっかりと鷲掴みしているからに他ならない。

そして、ウィーン・フィルによる極上の美を誇る名演奏が、本演奏に独特の潤いと温もりを付加させているのに大きく貢献しているのを忘れてはならない。

演奏終結の後、かなりの間をおいて拍手が沸き起こるのも、当日の聴衆の深い感動を物語るものと言えるだろう。

いずれにしても、本演奏は、サヴァリッシュによる至高の超名演であり、サヴァリッシュに対する印象を一変させるだけのインパクトのある圧倒的な超名演と高く評価したい。

音質は、1983年のライヴ録音であるが、十分に満足できる良好な音質と高く評価したい。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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