2013年06月21日

ヴァント&北ドイツ放送響のモーツァルト:ポストホルン・セレナード/ベートーヴェン:交響曲第4番


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最晩年のヴァントによる演奏である(2001年)。

録音には常に慎重な姿勢で臨むとともに、演奏する楽曲も慎重に見極めていたヴァントであるが、本盤に収められたモーツァルトのセレナード「ポストホルン」と、ベートーヴェンの交響曲第4番は、ヴァントの隠れたレパートリーの楽曲であったと言えるところだ。

モーツァルトのセレナード「ポストホルン」については、昨年末にNHK交響楽団を指揮して行ったライヴ録音(1982年)が発売されていることから、本演奏は、ヴァントにとっては3度目の約20年ぶりの録音ということになる。

3種の演奏の中では、何と言っても本演奏が圧倒的に素晴らしい。

もちろん、セレナードという楽曲の性格上、ヴァントの芸風の特色である厳格なスコアリーディングに基づく緻密さや堅固な造型美を発揮し得るものではないことから、そうした面においては取り立てた特色のある演奏とは言い難いが、演奏の持つ懐の深さ、そして格調の高さは、老巨匠だけに描出可能な至芸と言えるところであり、おそらくは同曲演奏史上でもトップの座を争う至高の名演に仕上がっていると評価してもいいのではないだろうか。

ベートーヴェンの交響曲第4番は、1980年代に完成させたヴァントによる北ドイツ放送交響楽団との唯一の交響曲全集を構成するスタジオ録音(1984〜1988年)以来、これまた約20年ぶりの3度目の録音ということになる。

演奏の完成度という意味では、前回のスタジオ録音ということは論を待たないと言えるが、それでも、本演奏には、一聴すると剛毅で無骨さを感じさせる中にも、古武士のような風格が随所に漂っていると言えるところであり、ここには、ヴァントが最晩年に至って漸く到達し得た至高・至純の境地があらわれていると言えるのかもしれない。

いずれにしても、本演奏が、ヴァントによる同曲のベストの演奏との評価をすることについては、演奏の完成度という点で若干の疑問を感じずにはいられないが、演奏の独特の味わい深さや格調の高さと言った点からすれば、本演奏を名演と評価することにいささかも躊躇するものではない。

音質は、従来CD盤が発売された後、リマスタリングが一度もなされていないものの、十分に満足できるものであった。

しかしながら、今般、ついにSACD化が行われることによって大変驚いた。

従来CD盤とは次元が異なる見違えるような鮮明な音質に生まれ変わった言えるところであり、あらためてSACDの潜在能力の高さを思い知った次第である。

いずれにしても、ヴァントによる至高の名演を、SACDによる極上の高音質で味わうことができるのを大いに歓迎したい。

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classicalmusic at 20:58コメント(0)トラックバック(0)ヴァント  

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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