2013年06月29日

N響85周年記念シリーズ:ワーグナー:「タンホイザー」序曲、ヤナーチェク:シンフォニエッタ、コダーイ:組曲「ハーリ・ヤーノシュ」 他/ロヴロ・フォン・マタチッチ


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マタチッチの桁外れにスケールの大きい芸風を味わうことが可能な圧倒的な名演だ。

本盤には、様々な作曲家による楽曲が収められており、遺された録音が必ずしも多いとは言い難いために、とかくレパートリーが少ないなどと誤解されがちなマタチッチが、意外にも幅広いレパートリーを有していたことを窺い知ることが可能であるとも言えるだろう。

本盤に収められた各楽曲の演奏も、いずれもマタチッチの偉大な芸術を味わうことが可能な圧倒的な名演揃いであるが、とりわけ凄まじい演奏として、先ずはヤナーチェクのシンフォニエッタを掲げたい。

近年では、村上春樹氏による有名小説によってにわかに脚光を浴びつつある同曲であるが、これまでの同曲の名演としては、どちらかと言うとモラヴィアの民謡風の旋律の数々に焦点を当てた民族色豊かな演奏が主流を占めてきたと言えなくもないところだ。

これらの演奏に対して、マタチッチによる本演奏は一線を画しているとも言えるだろう。

冒頭のファンファーレからして、壮絶な迫力を誇っているし、その後の強靭な迫力や彫りの深い表現には出色のものがあり、演奏全体としては、まさに壮大な交響曲のようなとてつもないスケールの雄大さを誇っていると言っても過言ではあるまい。

同曲の演奏としては異色の演奏とも言えるところであるが、聴き終えた後の充足感には絶大なるものがあるところであり、筆者としては、マタチッチの芸術家としての桁外れの才能を大いに感じることが可能な圧倒的な超名演と高く評価したい。

次いで、ストラヴィンスキーのバレエ音楽「火の鳥」が素晴らしい。

これまた、ヤナーチェクのシンフォニエッタに優るとも劣らぬ迫力を誇っており、とりわけ終結部の壮絶さ、そしてユニークな解釈は我々聴き手の度肝を抜くのに十分である。

コダーイの組曲「ハーリ・ヤーノシュ」も、冒頭のくしゃみからして凄まじく、ハンガリーの民族色とは殆ど無縁の演奏であるが、スケールは雄渾の極みであり、その桁外れの壮大な迫力にはただただ圧倒されるのみである。

加えて、各曲の描き分けが実に巧みであり、聴かせどころのツボを心得た心憎いばかりの演出巧者ぶりを発揮しており、本演奏では、マタチッチのオペラ指揮者としての才能が見事に功を奏していると言えるのではないだろうか。

ポピュラーな名曲であるが、近年では最新録音に恵まれてない同曲だけに、極めて価値のある名演の登場と言っても過言ではあるまい。

ウェーバーやワーグナーの序曲や前奏曲も、マタチッチならでは重厚で、なおかつスケール雄大な至高の超名演と評価したい。

NHK交響楽団も、アンサンブルに乱れが生じているなど、必ずしも万全とは言い難い演奏である(特に、エキストラが参加していたと思われるヤナーチェクのシンフォニエッタ)が、敬愛するマタチッチの指揮に必死で喰らいつき、渾身の名演奏を展開しているのが見事であり、芸術的な感動という意味においては申し分のないパフォーマンスを発揮していると言っても過言ではあるまい。

音質は、名指揮者の来日公演の高音質での発売で定評のあるアルトゥスレーベルがマスタリングを手掛けているだけに、本全集においても1969年〜1975年のライヴ録音としては十分に満足できる良好な音質に仕上がっているのが素晴らしい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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