2013年07月07日
小林研一郎&チェコ・フィルのベートーヴェン:交響曲第2番、第5番「運命」
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古希を迎えた小林研一郎がチェコ・フィルとともに開始した、ベートーヴェンの交響曲チクルスの第2弾の登場だ。
今回は、「第2」と「第5」の組み合わせであるが、前回の「エロイカ」と同様に、素晴らしい名演と高く評価したい。
特に、「第5」は、いかにも「炎のコバケン」の面目躍如たる圧倒的な豪演と言える。
第1楽章の冒頭からして、凄まじい緊迫感に満ち溢れている。
その後も畳み掛けていくような気迫と力強さが漲っており、トゥッティに向けて遮二無二突き進んでいく推進力は、圧巻の迫力を誇っている。
第2楽章は変幻自在のテンポ設定や思い切った強弱の変化を駆使して、誰よりもドラマティックな表現を行っているのが素晴らしい。
副旋律の響かせ方について工夫を凝らしたりするなど個性的な表現が連続するが、他方、むせ返るような情感の豊かさは、小林研一郎の熱き心を体現していて実に感動的だ。
第3楽章の低弦の響かせ方も楽曲の心眼に切り込んでいくような凄みがある。
そして、終楽章は、本演奏の白眉。
楽曲の頂点に向けて、溢れんばかりの生命力で盛り上っていくような力感のある演奏を繰り広げ、小林研一郎のうなり声とともに圧倒的なクライマックスのうちに全曲を締め括っている。
「第2」も素晴らしい名演だ。
冒頭から切れ味鋭いテンポと彫りの深い表現で聴き手を魅了する。
とりわけ第2楽章は、小林研一郎の熱き歌心が結集しており、その至純の美しさには抗し難い魅力に満ち溢れている。
そして、小林研一郎による切れば血が出てくるような灼熱のような指揮に、適度の潤いと奥行きの深さを与えているのが、チェコ・フィルによる名演奏と言えよう。
ホルンをはじめとする管楽器の技量には卓越したものがあり、弦楽器の重厚で深みのある音色も実に魅力的というほかはない。
いずれにしても、両演奏ともに小林研一郎とチェコ・フィルの抜群の相性の良さを感じさせる名演であり、今後のベートーヴェンの他の交響曲の演奏に大きな期待を抱かせるものと言える。
録音は、SACDによる極上の高音質であり、小林研一郎&チェコ・フィルによる素晴らしい名演を望み得る最高の鮮明な音質で味わうことができるのを大いに歓迎したい。
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