2013年07月08日
パーヴォ・ヤルヴィ&シンシナティ響のムソルグスキー:展覧会の絵 他
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パーヴォ・ヤルヴィは、現代における最も注目すべき指揮者と言えるのではないか。
広範なレパートリーを誇る指揮者であり、発売されるCDの多種多様ぶりには大変驚かされるばかりであるが、決して器用貧乏には陥らず、発売されるCDのいずれもが水準の高い名演という点も、高く評価されるべきである。
本盤には、ムソルグスキーの代表作3曲が収められているが、いずれも素晴らしい名演だ。
冒頭に収められた交響詩「はげ山の一夜」は、畳み掛けていくような生命力溢れる力強さが見事であり、その怒涛のド迫力にはただただ圧倒されるのみである。
それでいて、荒っぽさなどは薬にしたくもなく、どこをとってもニュアンスが豊かであり、各楽器がいささかも無機的な音を出していないというのは、パーヴォ・ヤルヴィの類稀なる豊かな音楽性とともに、パーヴォ・ヤルヴィの圧倒的な統率の下、最高のパフォーマンスを示しているシンシナティ交響楽団の卓抜した技量の賜物であると言える。
また、組曲「展覧会の絵」においてパーヴォ・ヤルヴィは、曲想を精緻に、そして情感豊かに描き出していく。
それでいて、各組曲毎の描き分けを実に巧みに行っており、曲中に何度もあらわれるプロムナードの主題に施している表現の多様性にはほとんど舌を巻いてしまうほどだ。
そして、どこをとっても恣意的な解釈が見られず、ラヴェルが編曲した華麗なオーケストレーションの醍醐味を、ゆったりとした気持ちで満喫することができるのが素晴らしい。
特筆すべきはシンシナティ交響楽団の圧倒的な技量であり、金管楽器も木管楽器も実に美しく、そして卓越した技量を披露してくれている点を高く評価したい。
「ホヴァンシチナ」前奏曲における情感の豊かさは、もはやこの世のものとは思えないような至純の美しさを誇っている。
音質も、マルチチャンネル付きのSACDによる極上の高音質であり、このような素晴らしい名演を望み得る最高の鮮明な音質で味わうことができることを大いに喜びたい。
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