2013年07月31日

ハイティンク&コンセルトヘボウのショスタコーヴィチ:交響曲第15番


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ハイティンクが得意とするショスタコーヴィチの交響曲の待望の最新録音の登場だ。

ハイティンクは、本盤に収められた交響曲第15番を約30年前にもロンドン・フィルを起用して、ショスタコーヴィチの交響曲全集の一環としてスタジオ録音(1978年)していることから、本演奏はハイティンクによる同曲の2度目の録音ということになる。

そして、本盤に収められた約30年ぶりの本演奏は、当該全集に収められた演奏とは段違いの素晴らしい名演に仕上がっていると評価したい。

本演奏におけるハイティンクのアプローチは直球勝負。

いずれの演奏においても、いかにもハイティンクならではの曲想を精緻に、そして丁寧に描き出していくというものであり、ショスタコーヴィチがスコアに記した音符の数々が明瞭に表現されているというのが特徴である。

したがって、ショスタコーヴィチの交響曲の魅力を安定した気持ちで味わうことができるというのが素晴らしい。

加えて、本演奏には、最晩年を迎えたハイティンクならではの奥行きの深さが感じられるところであり、さすがにムラヴィンスキー&レニングラード・フィルによる超名演(1976年)ほどの凄みはないが、同曲に込められた作曲者の絶望感などが、淡々と進行していく曲想の中の各フレーズから滲み出してくるのが見事である。

このような彫りの深い名演を聴いていると、ハイティンクが今や真の大指揮者になったことを痛感せざるを得ない。

ハイティンクの確かな統率の下、かつての手兵であるロイヤル・コンセルトへボウ管弦楽団が持ち得る実力を最大限に発揮した入魂の名演奏を繰り広げているのも、本名演に大きく貢献しているのを忘れてはならない。

さらに、本盤で素晴らしいのは、マルチチャンネル付きのSACDによる極上の高音質録音である。

音質の鮮明さ、臨場感など、どれも一級品の仕上がりであり、あらためてSACD盤の潜在能力の高さを思い知った次第だ。

いずれにしても、ハイティンクによる円熟の名演を、マルチチャンネル付きのSACDによる極上の高音質で味わうことができるのを大いに喜びたい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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