2014年03月12日

チョン・ミュンフン&フィラデルフィア管のショスタコーヴィチ:交響曲第4番


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フィラデルフィア管弦楽団を率いての、指揮者チョン・ミョンフンによるショスタコーヴィチ「第4」は、緩急のコントラストを大きくつけ、劇的な要素を巧みに抽出して、雄弁な音楽を創り出している名演。

この「第4」にはムラヴィンスキー盤がないだけに、チョン・ミュンフン盤の価値は高い。

ラトル、ゲルギエフの録音と共に、この交響曲の3強の一角を占める名盤と言えよう。

血のように赤い鮮烈な響きがショスタコーヴィチの絶望の叫びを伝え、第1楽章のクライマックスなど狂躁の極みとなるが、少しもうるさくなく、外面的にも陥らず、驚くべき雄弁な内容を湛えつつ、落ち着きさえ感じさせながら進む。

第2楽章の音彩の愉しさも最高だが、その中にいつも人間の孤独が流れているのだ。

そして、第3楽章に入ると、オーケストラは光彩陸離と鳴り切り、しかも厳粛な葬送行進曲の魂の訴えを失わず、ヴァイオリンの泣けるほどの美しさがそれに続く。

音楽は幻想的で透明な天才の筆致の中に消えてゆくが、チョン・ミュンフンの棒も絶妙である。

それに、この20世紀音楽がちょっとハイドンみたいに聴こえるという点が面白い。

これを聴いていると、ハイドンからショスタコーヴィチまでおよそ150年経っているにもかかわらず、人間の発想、特に笑いの構造は変わっていたいのだなぁと思わされる。

特に第1楽章は、なんだか諧謔のオンパレードのようで、普通のショスタコーヴィチ演奏とはまったく印象が異なる。

そのユニークさは高く評価したい。

フィナーレもうるさすぎない。

ショスタコーヴィチの音楽は暴力的に鳴りすぎて嫌だという人にはとても快いだろう。

なお音質については、1994年のスタジオ録音ということもあって、充分に満足できる音質と言える。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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