2013年08月16日

ベームのモーツァルト:歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」(1974年盤)


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



ベームはモーツァルトを心から愛した指揮者として知られているが、モーツァルトのオペラの中でも特に愛していたのは歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」と言えるのではないだろうか。

それは、遺された録音の数からも理解できるところであり、1962年のスタジオ録音(EMI)のほか、多数のライヴ録音が遺されている。

その中でも抜きん出た名演は、衆目の一致するところ、前述の1962年盤と本盤に収められたザルツブルク音楽祭でのライヴ録音である1974年盤であると考えられる。

ところが、この両者の比較が実に難しい。

旧盤はシュヴァルツコップ、ルートヴィヒ、タディ、ベリーなどといった豪華歌手陣を揃えており、キャスティングにおいては全く穴がなかった。

これに対して、本演奏も、ヤノヴィッツ、ファスベンダー、シュライアー、プライ、パネライといった超豪華布陣であり、キャスティングにおいてはほぼ互角と言えるだろう。

オーケストラは旧盤のフィルハーモニア管弦楽団に対して、本演奏はウィーン・フィルであり、オーケストラの同曲への適性としては本演奏の方が上。

ただし、本演奏はベームが80歳の時の演奏であり、全盛期にあった旧盤の時と比較すると、ベームの指揮の特徴でもある躍動的なリズム感にほんのわずかにではあるが硬直性が見られるところであり、ベームの指揮に関しては旧盤の方が上出来と言える。

このように、両名演ともに一長一短あるところであるが、所詮は高いレベルでの比較の問題であり、両演奏ともに、至高の超名演であることには変わりがないところだ。

本演奏におけるベームの指揮は実にシンフォニックで重厚なものであり、近年の古楽器奏法やピリオド楽器を使用した軽妙な演奏に慣れた耳からすると、あたかも故郷に帰省した時のように安定した気持ちになるのは筆者だけではあるまい。

それでいて、モーツァルトの音楽特有の気品溢れる優美さにもいささかも不足しておらず、いい意味での剛柔バランスのとれた名演に仕上がっている点を高く評価したい。

ベームの重厚でシンフォニックな指揮に適度な潤いと温か味を付加したウィーン・フィルによる好パフォーマンスも、本名演に大きく貢献している点を忘れてはならない。

前述の豪華歌手陣やウィーン国立歌劇場合唱団も最高のパフォーマンスを発揮していると高く評価したい。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 21:51コメント(0)トラックバック(0)モーツァルト | ベーム 

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ