2013年08月25日
アルカント・カルテットのドビュッシー:弦楽四重奏曲、デュティユー:夜はかくの如し、ラヴェル:弦楽四重奏曲
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驚天動地の名演だ。
名演の前に超をいくつか付け加えてもいいのかもしれない。
それくらい、弦楽四重奏曲の通例の演奏様式の常識を覆すような衝撃的な解釈、アプローチを示している。
アルカント弦楽四重奏団は、以前にもバルトークの弦楽四重奏曲の超名演を成し遂げているが、本盤の衝撃は、その比ではない。
ドビュッシーとラヴェルの有名な弦楽四重奏曲の間に、デュティユーの弦楽四重奏曲をカップリングするという選曲のセンスの良さも光るが、この有名曲であるドビュッシー、ラヴェルの弦楽四重奏曲が含有する作品の内面への追求が尋常ではない。
ダイナミックレンジの桁外れの幅の広さや、極端とも言うべき緩急自在のテンポの変化を駆使して、ひたすら作品の内実に迫っていくアプローチには、ただただ頭を垂れるのみ。
それでいて、例えばラヴェルの第3楽章などに見られる情感豊かさは、筆舌には尽くしがたい美しさを誇っている。
デュティユーの各楽章(部と言ってもいいのかもしれない)毎の思い切った描き分けは、難解とも言える同曲の本質を聴者に知らしめるという意味において、これ以上は求め得ないような理想的な演奏を行っている。
それにしても、これらの各楽曲の演奏における4人の奏者の鉄壁のアンサンブルは、何と表現していいのであろうか。
それぞれが若手奏者であるにもかかわらず、単なる技術偏重には陥らず、常に作品の内面を抉り出そうと言う真摯な姿勢には深い感銘を覚えるとともに、この団体の今後の更なる発展を予見させるものと言えよう。
録音も素晴らしい。
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