2013年08月26日

ザンデルリンク&ベルリン・ドイツ響のモーツァルト:交響曲第39番、ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」 (1991)


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2011年9月18日に惜しくも逝去したクルト・ザンデルリンクは、2002年には既に指揮活動から引退していたところであるが、特に晩年の1990年代においては、ヴァントやジュリーニなどとともに数少ない巨匠指揮者の一人として、至高の名演の数々を披露してくれたところであり、その死は残念でならないところである。

本盤は、巨匠ザンデルリンクの追悼盤として初めて世に出た音源であるが、いかにも巨匠ならではの素晴らしい名演であると高く評価したい。

このような素晴らしい名演奏を聴いていると、あらためて巨匠の死を悼む聴き手は筆者だけではあるまい。

本盤には、モーツァルトの交響曲第39番とベートーヴェンの交響曲第6番「田園」が収められているが、このうち、モーツァルトについてはザンデルリンクにとっても極めて珍しい曲目である。

同曲については、ザンデルリンクが師事したムラヴィンスキーによる素晴らしい名演が遺されているが、ムラヴィンスキーのように絶妙なニュアンスを随所に施した颯爽としたテンポによる演奏とは、その性格を大きく異にしていると言えるだろう。

テンポはゆったりとしたものであり、スケールは雄大の極み。

ザンデルリンクは各旋律を徹底して歌い抜いており、その豊かな情感にはロマンティシズムの香りさえ漂っていると言えるほどだ。

それでいて、演奏全体として格調の高さをいささかも失うことがないというのは、ザンデルリンクの類稀なる音楽性の豊かさの証左と言っても過言ではあるまい。

筆者としては、本演奏を名演と評価するのにいささかも躊躇するものではないが、必ずしもザンデルリンクが得意とした楽曲ではないだけに、聴き手によっては好みが分かれる演奏かもしれない。

他方、ベートーヴェンの「田園」は、文句の付けようのない素晴らしい名演だ。

ザンデルリンクの「田園」の名演としては、数年前に発売されたケルン放送交響楽団とのライヴ録音(1985年)が名高いが、本演奏は当該演奏から6年後のライヴ録音。

演奏全体のスタイルとしては、ゆったりとしたテンポによる悠揚迫らぬ曲想の進行、深沈とした奥行きと格調の高さが支配している点においては共通しており、後はオーケストラの違いと言えるのかもしれない。

本演奏はベルリン・ドイツ交響楽団であるが、巨匠ザンデルリンクとの相性は抜群であり、ケルン放送交響楽団と技量においてはほぼ同格。

音色の重心が、若干ではあるが、北ドイツのオーケストラだけに本演奏の方が低いと言えるところであり、「田園」により重厚な響きを求める聴き手には、本演奏の方を好む聴き手がいても何ら不思議ではない。

音質は1991年のライヴ録音だけに、鮮明で素晴らしいものであると高く評価したい。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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