2013年09月03日
バレンボイム&ネルソンスのショパン:ピアノ協奏曲第1番、第2番
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同時発売のワルシャワ・リサイタルと同様に、バレンボイムのDGへの移籍第1弾となったCDの登場だ。
本CDに収められた曲目は、生誕200年を記念したショパンのピアノ協奏曲第1番及び第2番である。
バレンボイムと言えば、ピアニストとしてはベートーヴェン弾きやモーツァルト弾きのイメージが強く、しかも近年では指揮者としての活動(それもドイツ音楽がレパートリーの中心)が目立っていることから、DGへの記念すべき再デビュー盤がショパンの楽曲であるというのは、ショパンイヤーであることに鑑みても、大変意外であるというのが正直なところであった。
確かに、本演奏で聴くショパンは、他のピアニストによる同曲の演奏とは一味もふた味も異なっている。
ある意味では、ベートーヴェン風の重厚なドイツ風のショパンと言えるところであり、一音一音を揺るぎない力強い打鍵で弾き抜いていくピアニズムは、あたかもベートーヴェンのピアノ協奏曲を弾いているような趣きがあると言っても過言ではあるまい。
それでいて、両曲の緩徐楽章における情感の豊かさは美しさの極みであり、表現力の桁外れの幅の広さは、さすがはバレンボイムである。
いずれにしても、本演奏はショパンのピアノ協奏曲の演奏としては異色の部類に入る演奏ではあるが、立派さにおいては比類がない演奏でもあり、ショパンの音楽を陳腐なサロン音楽と批判する者に対しては、強烈なアンチテーゼとなる演奏であるとも考えられる。
筆者としては、ショパンの音楽をベートーヴェンの音楽の次元にまで高めることに成功した素晴らしい名演と高く評価したい。
そして、バレンボイムの重厚なピアニズムをしっかりと下支えしているのが、気鋭の若手指揮者であるネルソンスと、バレンボイムの手兵でもあるシュターツカペレ・ベルリンによる名演奏だ。
このコンビによる爽快ささえ感じさせる演奏は、とかく重厚で重みのあるバレンボイムのピアノ演奏に、適度なあたたかみを与えていることを忘れてはならない。
録音も非常に鮮明な高音質であり、本演奏の価値を高めるのに大きく貢献している。
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