2013年09月15日
ヤング&ハンブルク・フィルのブラームス:交響曲第2番/悲劇的序曲
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今や女流指揮者の第一人者としてだけではなく、期待の若手指揮者の一人として多大な活躍をしているシモーネ・ヤングと、その手兵であるハンブルク・フィルによるブラームスの交響曲チクルスの第2弾の登場だ。
第1弾の交響曲第1番が重厚にしてスケール雄大な名演であっただけに、本盤に収められた交響曲第2番や悲劇的序曲の演奏にも大いに期待したところであるが、そうした期待をいささかも裏切ることがない素晴らしい名演に仕上がっていると高く評価したい。
ベートーヴェンの交響曲第10番との異名をとるほどの力強さが持ち味の第1番とは異なり、より抒情的で情感豊かな表現が要求される第2番だけに、女流指揮者たるシモーネ・ヤングにとっても、第1番よりもより一層取り組みやすい楽曲であったとも言えるのかもしれない。
第1楽章の幾分憂いに満ちた情感に満ちた旋律の数々を、シモーネ・ヤングは心を込めて歌い抜いているところであるが、どこをとっても陳腐なロマンティシズムに陥ることがなく、常に格調の高さや、女流指揮者ならではのエレガントな気品に満ち溢れているのが素晴らしい。
第2楽章のややゆったりしたテンポによる演奏も美しさの極みであり、随所から漂ってくる熱き情感には抗し難い魅力に満ち溢れている。
そして、第3楽章の典雅とも言うべき洒落た味わいには出色のものがあると言えるだろう。
終楽章は、一転して女流指揮者離れした強靭さが全体に漲っており、トゥッティに向けて畳み掛けていくような気迫や重厚な強靭さ、そして、終結部の猛烈なアッチェレランドは、我々聴き手の度肝を抜くのに十分な圧巻の迫力を誇っていると言っても過言ではあるまい。
いずれにしても、本演奏は、シモーネ・ヤングの卓越した音楽性と、前途洋々たる将来性を大いに感じることが可能な圧倒的な名演と高く評価したい。
併録の悲劇的序曲も、とてつもない緊張感と強靭な迫力に貫かれた凄みのある名演に仕上がっているところだ。
ハンブルク・フィルも、シモーネ・ヤングの確かな統率の下、渾身の名演奏を繰り広げていると評価したい。
そして、本盤で素晴らしいのは、マルチチャンネル付きのSACDによる極上の高音質録音である。
本盤のようなマルチチャンネル付きのSACDによる臨場感溢れる鮮明な高音質を聴いていると、あらためてSACDの潜在能力の高さを再認識させられるところだ。
いずれにしても、シモーネ・ヤングによる至高の超名演を、マルチチャンネル付きのSACDによる極上の高音質で味わうことができるのを大いに歓迎したい。
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